第14話 果てし無き時の中で(後編)
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時になって慌てればいいとでもおっしゃるか!?」
議員A
「これは、はっきりとしたナチュラル共の意志の表れですよ!
奴等はまだ戦火を拡大させるつもりなんです…」
クライン
「…静粛に!議員方、静粛に…」
ザラ
「戦いたがる者など居らん。
我らの誰が、好んで戦場に出たがる?
平和に、穏やかに、幸せに暮らしたい。
我らの願いはそれだけだったのです。
だがその願いを無惨にも打ち砕いたのは誰です。
自分達の都合と欲望の為だけに、我々コーディネイターを縛り、利用し続けてきたのは!
我らは忘れない。
あの血のバレンタイン、ユニウス7の悲劇を!
24万3721名…それだけの同胞を喪ったあの忌まわしい事件から1年。
それでも我々は、最低限の要求で戦争を早期に終結すべく、心を砕いてきました。
だがナチュラルは、その努力をことごとく無にしてきたのです。
我々は、我々を守るために戦う。
戦わねば守れないならば、戦うしかないのです!」
議員全員それぞれ思い出しているのか、俯いた。
クライン
「…うぅ。」
光輝
「イージスに乗っているのは、アスラン・ザラです。
キラ・ヤマト君とは、月の幼年学校で友人だった、コーディネイターです。
国防委員長パトリック・ザラの息子です。
パトリック・ザラは血のバレンタインで夫人亡くしています。アスランの母です。
現在のラクス・クライン最高評議会議長は穏健派ですが、
次の最高評議会議長はパトリック・ザラになるでしょう。彼は主戦主義者です。」
光輝は一拍おいて続きを話し始める。
光輝
「疑心、無知、僻み、愛せようもあろう人に向く黒い感情。
愛が至高の光だとすれば、それはその影と生まれたものなのでしょう。」
違う者、分からぬ者、異質は不安を呼び、やがて憎しみとなって対立します。
そもそもの始まりは、ジョージ・グレンです。
17歳で、MITのドクターコースを修了。
オリンピックシルバーメダリストにして、アメリカンフットボールのスタープレイヤー。
空軍のエースパイロットでもあり、航空宇宙工学でも、数多の素晴らしい実績を持つ
この男に、世界中は賞賛の目を向け、彼の次なる奇跡の活躍に期待しました。
そして、木星探査ミッション。
自らが設計した宇宙船で、片道7年に渡る宇宙への旅へ飛び立とうというその時に、
軌道上から送られた、彼のメッセージ。」
映像がジョージ・グレンに切り替わる。
ジョージ・グレン
「僕は、僕の秘密を今明かそう。
僕は、人の自然そのままに、ナチュラルにこの世界に生まれ者ではない。
僕は受精卵の段階で、人為的な遺伝子操作を受けて生まれたもの。
その詳細な技術のマニュアルを、今、世界中のネットワークに送くる。」
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