111話 涙
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「大きくなったら何をするんだ?」
駆け回って駆け回って、疲れたしまったのか地べたに座り込んだ子供二人。見た目は配色が普通ではそう見ない感じなだけで、別に耳が尖っていたりとかそんなことは無い。……よく見たらラプソーンの方には角があったかな。アーノルドの方は……ただ色白なだけに見えるよ。
……アーノルドの方は人間じゃ?
「さぁ。やりたいことをやるだけだろ。決めてるのはお嫁さんを見つけて子供を可愛がる!これに決めてるから何があっても邪魔するなよ」
「ほんとアーノルドって子供好きだなぁ……分かったよ」
「ラプのことだからゼッテー忘れて子供いじめるだろ。それか似てなかったらいじめるだろ!口約束なんて信じないからな」
ぷいとそっぽを向いたアーノルドは、慌てるラプソーンらしき少年が恐る恐る話しかけるのにも怒っているように見えるんだけど。なんだか、子供の姿だから怖くないし、恐れもない……。
むしろなんか可愛い。微笑ましい。
「……ぬいぐるみ壊したこと、まだ怒っているのか?」
「フンッ……絶対に分かる、血の契約をしなかったらお前は俺の娘が殺すし、息子と気づかずに踏みつぶす!お前のことは友達だけどそれは信用してないからな!」
「すりゃあいいだろ。ラプソーンはアーノルドの子供を殺せない!ほら、手を出せ」
「……アーノルドはラプソーンの子供を殺せない」
……やっぱり人間じゃ、ないや。手の爪で手のひらをずたずたにして互いに当て合うなんて、普通じゃない。
なんだか前世で読んだバンパイアの小説みたいだ。
「気に入ったから飼っていた犬も猫も山羊もうさぎも鹿もみーんな殺されてきたからな、次はやめてくれよ」
「……」
アーノルドはカラカラ笑った。笑ってるのにラプソーンを見る目はちっとも笑ってない。そんなことされたのに友達には変わりないみたい。変だなぁ。
「特に可愛かった人間を殺された時は流石に殺意が湧いたからな?いくら親友ってもなぁ」
「……」
「なぁラプ。俺と一緒に人間の街でも行かねぇか?」
「狩りか?」
「そりゃそうだ。あんなカワイイ子以外は人間なんてムカつくもんだしなぁ」
嫌な感じがちょっとする。……私を抱えたままのアーノルドの方を見る。なんだか嫌悪感丸出しって顔をして二人の少年を見ていた。
気分的には私が魔物を狩るようなものなのかな?それならいくら酷いことだと思っても、何千か何万か知らないほど魔物の命を奪い、片手で足りない不届き者の人間を殺してきた私には綺麗事なんて言えないね。
場面が眠い時みたいにぼやぼやと歪んで切り替わっていく。
場所は室内だ。豪華な部屋。王族の部屋みたいに飾りが沢山ある。
「おい、エイリーンに手を出すな」
「何言ってるんだ。お
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