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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#14
PHANTOM BLOOD NIGHTMAREY 〜Blazing Beat〜
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リーは素早く神器の在る場所へとって返した。
「どうなのマルコ!? まさか!? 死んだなんて言わないでしょうね!!」
 永年の相棒に、まるで恫喝するように美女は声を荒げた。
 片膝を付いた眼下で、眠るように瞳を閉じる細身の少年。
 嫌でも脳裡にフラッシュ・バックする、 “アノ時” の光景。
(許さないから……!)
 悲哀を越え、憎しみにも似た熱情でマージョリーは花京院を見た。
(私の許可なくいなくなるなんて、絶対許さないからッ!)
 制御などしようのない、凄まじい感情のうねりが心中で吹き荒れる。
 その事は、傍らで慣れない治癒の自在法を施すマルコシアスにも解っていた。
 もし目の前で横たわるこの少年が死ねば、
おそらく 『ソノ時こそ』 マージョリーは完全に 「コワレル」
 そうなったらもう修復する術はない、紅世の徒もフレイムヘイズも、
ただの人間でさえも、眼につく存在はスベテ見境無く滅ぼし尽くす
『破壊の化身』 へと変貌するだろう。
「う……!」
 やがて、微かな呻き声を発して、眼前の少年が眼を開けた。
「ノリアキ!」
 想わず身を乗り出したマージョリーの顔が、
琥珀色の瞳いっぱいに映る。
 その姿に一瞬怯えのような色を浮かべたが、
すぐに表情は穏やかなものへと変わった。
「どうやら、今度は 「本物」 のようですね……」
 一週間ぶりに聞く声、でも永遠のような時を越えて響く声に、
マージョリーは安堵の微笑を浮かべた。  
「運の良いヤローだな。出血が酷かったが上手い事 「急所」 を外れてたんで
くたばるには遠かった。テメーの悪運に精々感謝するこったな」
 傍らで本の革表紙を鳴らしながらマルコシアスが磊落に言う。
「おそらく、万一の保険としてボクを人質にでも使うつもりだったのでしょう。
相手の狡猾さに救われましたね。最も、完全に気は失いましたが」
 どうしてこの二人が此処にいるのだろうと疑問は浮かんだが、
取りあえずそれは先送りにする。
「そんな事どうだっていいわよ!!」
 殺伐とした空気が薄れ、やや弛緩した二人の間に美女の怒声が轟いた。
「ミス・マージョリー……?」
 まだ出血の所為で眩む視界に、彼女の顔だけが映る。
 泣いているのだろうか? 透明な雫が菫色の双眸に煌めく。
「アンタ、約束したでしょう……
絶対死なないって、必ず帰ってくるって……
なのに、何やってんのよ……! 
こんな所で、あんなザコに殺されかかって……!」
 本当に、心配だった。
 心が、跡形もなく砕けそうになるほど。
「すいません……」
 自分の為に本気で怒っているマージョリーを前に、
花京院は瞳を伏せそう呟くしかなかった。
 どんな弁解も反論もする事は出来ない、
彼女を悲しませたのは自分なのだか
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