第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#14
PHANTOM BLOOD NIGHTMAREY 〜Blazing Beat〜
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回避も、保身さえも全く無視して襲い掛かるマージョリーの猛攻。
相手を屠る事が出来るなら、自らの生命さえどうでも良いと言う
自虐的とも呼べる戦形。
しかしコレは、ジワジワと時間を掛けて確実に相手を潰す
『黄 の 節 制』 に於いてはプラスに働いた。
「死ィィィ、ねえええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!」
体勢を立て直す間も与えず攻撃と同時に突っ込んで来ていたマージョリーが
自らの分身に微塵の躊躇もなく爪牙を燃え上がらせて迫る
(所謂怒りで見えていないという状態であろう)
だがその瞬間、マージョリーの姿を執ったラバー・ソウルの口元に悪辣な
微笑が浮かんだ。
即座に表面を覆っていた肉のスタンドがさざめき、
新たなる姿への変貌を遂げる。
「――ッ!」
ソレは、美女が愛しんでやまない、一人の少年。
蕭やかな薄茶色の髪と中性的な風貌、風に揺れるイヤリングと学生服。
「止せよ、マージョリー」
その存在を前に、マージョリーはヒールの爪先をアスファルトに滑らせて
止まる――筈だった。
「全ッッッッ然ッッ!! 似てないじゃないのよッッッッ!!!!」
「ぎょごおおおおおおぉぉぉぉぉぉッッ!!」
敢えてアスファルトに一歩踏み込み、その反動で威力を増大させた魔獣の
掌底が無造作に顔面へと叩きつけられる。
本物とは似ても似つかない奇声を発して、
折れた歯を散乱させながらラバー・ソウルはエビ反りなって路上を転がった。
痛みと恐怖に全身を痙攣させ這い蹲る男の耳に到来する、美女の声。
「ノリアキは、私の事
“ミス・マージョリー” って呼ぶの。
それと話す時はいつも敬語。
命令なんてするわけないし、
嫌ったらしい薄ら笑いも浮かべない」
くの字に折り曲げた左腕をトップモデルのように腰へ当てながら、
ヒールの踵を鳴らしてマージョリーが近づく。
たったの一言、ほんの一瞬の邂逅でそこまで認識し反論まで試みた美女の判断力に
ラバー・ソウルは砕けた口中で舌を巻く。
(し、しかし! 幾らモノホンが傍にいるからって躊躇せず攻撃するかフツー!?
ほんの僅かな隙も、顔色さえ変えなかったぞこの女!
こんなヒトデナシ今まで見た事ねー!!)
相手の大切な存在に化け、その隙を突いて勝つという事を
常套手段として用いてきたラバー・ソウルにとって、
このマージョリーの性格は完全なる誤算。
花京院はマージョリーの 「姿」 を攻撃するコト、
そこから派生する意味や倫理を想って傷つけるのを躊躇したが、
残念ながらそのような繊細さや敬虔さは彼女には一切ない!
「このフレイムヘイズ、 “弔詞の詠み手
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