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ラブストーリーは突然に
第五章
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「アルバイトでも会うなんてね」
「思わないよね」
「突然ね」
「そうだね、人と人の出会いって」
「偶然とも言うけれど」
「いきなり会って」
 そしてだ。
「付き合う様になるって」
「思わないよね」
「何かね」 
 本当にだった。
「想像もしていなかったわ」
「僕もだよ」
「それで考えたけれど」
 僕の顔を観ながらだ、瑠璃子さんはこんなことも言った。
「若しサークルでもバイト先でも会わなくてね」
「違うところだったら」
「同じ大学にいても」
 それこそというのだ。
「私達顔も名前も知らなかったわよね」
「大学ってそうなんだよね」
「同じ大学にいてもね」
「学生が多いから」
 そして学部が違うと本当にサークルが一緒にでもならない限り知り合うことも少ない。体育の授業等で会うことはあっても。
「すれ違うだけのね」
「他人同士だったわね」
「そうだよね」
「それがね」
「こうなるなんてね」
「奇跡みたいなものね」
「人と人の出会いは」
 このことについてだ、僕は瑠璃子さんに話した。
「神様が引き合わせてくれるからね」
「それ文学でもあったわ」
「そうなんだ」
「ええ、そうした本も読んだわ」
「僕はこの話天理教の人に言われたよ」
「あっ、八条カラオケってね」
「八条グループの系列企業でね」
 名前を聞いてわかる通りにだ。
「八条家の人が天理教の人で」
「経営一族のね」
「だから天理教の影響もあって」
「天理教の信者さんもいるのね」
「実は店長さんなんだ」
 僕に教えてくれた天理教の人はだ。
「おみちの人って言ってね」
「そうだったの」
「人と人は神様が引き合わせてくれる」
「人には突然、偶然と思われても」
「そうも言われてるよ、けれど人にとっては」
 神様でない僕達人間にとってはだ。
「そう思えるよね」
「確かにそうね」
「それで付き合う様になった」
「突然会って」
「不思議だね」
 神様が引き合わせてくれる人と人の出会いはだ。
「そう思うと」
「本当にそうね」
「じゃあ部屋まで送るよ」
 僕は瑠璃子さんにあらためて言った。
「危ないからね」
「いつも悪いわね」
「夜道は危ないからね」
 何かとだ、夜は本当に変な人が多い。
「だから送るよ」
「有り難う」
「お礼はいいよ、何かあったらね」 
 それこそだ。
「あってからじゃ遅いから」
「そう言われるとね」
「そうだよね」
「ええ、確かにね」
「何かと変質者がいるから」
 ネットではこんなの普通だと思える人が道を聞いただけで通報されたりもしているがだ、これはもう極端だと思う。
「そんな人が出て来たらだから」
「遅いから」
「送るよ」
「こうして送ってもらえるのも」

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