第一章
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ラブストーリーは突然に
僕は本当に何の変哲もない学生だ、普通の大学に通っていて普通の成績で普通にサークルで楽しんで普通にアルバイトをしている。
そしてだ、アルバイト先のカラオケボックスで店長さんに普通に言われていた。
「就職どうするのかな」
「就職ですか」
「そう、そっちはね」
初老の恰幅のいい人だ、顔は四角い。声は高めだ。
「これからは」
「はい、このアルバイトですから」
「カラオケボックスにかい?」
「関係の企業でしょうか」
「そうした企業もあるからね」
「そっちを考えてます」
カラオケボックスのチェーン店をやっている企業にだ。
「そう考えてます」
「うちも系列だしね」
「八条カラオケですね」
「ここに就職するかい?」
「かなり真剣に」
こう店長に答えた。
「つまり店長さんの部下になるかも知れないですね」
「ははは、正社員だね」
「そうなって」
「その時も宜しくな」
店長さんは僕に笑って言ってくれた。
「正社員は正社員で厳しいこともあるがな」
「はい、その時は」
「宜しくな」
こうしたことも話しながらだ、僕は普通に就職のことも考えていた。けれどこのことも結局普通の大学生の日常だ。
大学に通ってサークルも楽しんでアルバイトもやって。実家通いで本当にその辺りに幾らでもいる大学生だった。
けれどだ。ある日のことだった。サークルのバスケ部にだ。
新入生、一回下の子達が入って来るとだ。その中に完全に僕のタイプの娘あは入ってきた。面長で黒髪のロングヘアでだ。目ははっきりとしていて頬の形もいい。眉はしっかりしている。
彼女の名前は三上瑠璃子といった、瑠璃子さんの話を聞くと。
「あれっ、同じ歳なんだね」
「あっ、そうですね」
瑠璃子さんも思わずこう返してきた。
「私一年浪人してたんで」
「僕は現役だったけれど」
「こうしたことって大学じゃよくあるって聞いてましたけれど」
「君がそうなんだね、じゃあ」
「じゃあ?」
「同じ歳だから」
それでとだ、僕から言った。
「もう敬語とかなくて」
「タメ口で」
「それでいこう」
こう彼女に言った。
「気軽にね」
「それじゃあ」
「やっぱり高校とかでもバスケしてたのかな」
「中学からね」
「そうなんだ、僕もね」
「中学からしてたのね」
「そうなんだ、けれどね」
それでもだった、僕は彼女に笑って話した。
「中学の時のバスケ部は弱くて」
「そうだったの」
「もういつも一回戦負けだったよ」
大会に出てもだ。
「本当に弱かったんだ」
「私のところはそこそこね」
「強かったんだ」
「県大会でベスト四よ」
「それ凄くない?」
「福井の方で」
「あっ、生まれ
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