第15話 復讐の始まり
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正しい行い(自己中心的思想の究極への発展途上型)を行使しようとする時に対して、当然のように手助けしてくれることには一定以上の評価をしている。
詰まる所瑤子にとって、父親は自分を世界の中心に戻してくれる道具に過ぎない。
しかしながら、そんな現状でも出来る事はある。
それはこの世界では本来あってはならない事の一つ、自分よりも美しい女を排除する事である。
この世界の中心は当然自分なのだから、最も美しい女性も当然自分でなければならない。
にも拘らず、この世界は自分よりも美しい女と言う間違った存在を少なからず許容している。
ならば本来の正しい形に戻す為、手ずからあってはならない事象を討滅しなければならないのだ。
そして先日やっと身の程を弁えない欅美奈をこの世界から自殺させるに成功した。
だがまだまだ始まったばかり、特にこの町には自分よりも美しいと言う悪が跋扈している。
特に目に着くのは武神・川上百代だ。
既に瑤子は百代を排除する構想だけは完成していた。
しかし今はまだ手が出せないので、次に別の悪の討滅をしようとタブレットを見ながら考えていると、突如周囲の景色が石造りの回廊に変貌したのだ。
「な、何!?何なのっ!?」
突然の変化に戸惑う瑤子。
しかし状況の把握も出来ないまま、王様気分のお嬢様は後ろから強い衝撃を受けて吹き飛ばされる。
「ああああっっ!!?」
それはもう面白いくらいの吹き飛ばされぶりで、何度もバウンドしながら二転三転転がって行き、壁にぶつかる事で漸く止まった。
「かっ、は、っあ」
全身の擦り傷もあるが、何より背中の痛みに悶絶する瑤子。
それでも何とか見上げた所、その眼前には雄牛の角を持ち、獅子の如き白い髪をなびかせる仮面の巨漢が自分を見下ろすように見ていた。
「・・・・・・・・・・・・」
「あ、い、いっぎゃばぇっ!」
自分を見下ろす正体不明の存在に恐怖に打ち震えていたら、目の前から足が自分の顔に突き刺さり、その衝撃でまたも吹き飛んで壁に当たる。
「・・・・・・あぎゅ・・・かひゅ・・・・・・」
瑤子の顔は歯が幾つも砕け散り、鼻の骨が曲がり砕けて左頬は赤く腫れあがり、左目からは出血量が酷く完全に潰れていた。
もはや容姿端麗、眉目秀麗の美少女の顔は台無しになっている。
そこに、巨漢の後ろから1人の少女が現れた。
「良い顔になったわね、津川さん」
「・・・・・・!?」
声が聞こえる方に弱弱しく顔を向けると、自分が病院に無理矢理戻しすために虐めぬいた天谷ヒカルと言う名の悪が居た。
その悪は、笑顔のまま自分に近づいてから顔を蹴って来た。
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