第15話 復讐の始まり
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ある種の胸騒ぎに襲われたモロは思わず聞いてしまう。
「ん?見舞客・・・・・・君はこの病室にいた天谷ヒカルさんのご友人か、なにかかい?」
「はい。この病室のガラス越しで知り合って・・・ヒカルさん、如何かしたんですか?」
「んん、まあ、ご友人ならいいか」
天谷ヒカルは昨夜のあの騒動時に同じくして、病室から突如行方知れずとなったらしい。
病院の出入り口に設置してある防犯カメラにも、それらしい怪しい人物の出入りも本人も映っておらず、まるで神隠しにあったかのような事件らしい。
本来であればもっと早くに来るべきだったのだが、昨夜の騒動の件で忙しさに追われて朝来たばかりとの事。
「彼女のご友人だから君には話しているんだ。あまり口外しないでくれよ」
「そ、それはいいんですが、ヒカルさんの体で外に出たら危険なんじゃ・・・・・・」
「ああ、だから彼女のためにも早く見つけ出したいんだ。師岡卓也君、君も何か判ったら連絡してほしい」
「は、はい・・・」
モロに説明を終えた警察官は、病室に入っていく。
モロはただ、呆然と立ち尽くすしかなかった。
−Interlude−
川神姉妹が出かけている頃を見計らって、士郎はスカサハと共に鉄心に会うべく川神院に来ていた。
如何やらまだマスコミ関係の車が何台か止まって入り口を押さえているので、百代がたまに使っていると言う抜け道を通ってくると良いと教えてもらい、敷地内に入る。
如何やら百代の抜け道は随分前からばれている様だ。
そして総代の自室に行くまでに幾人とすれ違ったが、いずれもスカサハの美貌に見惚れて呆けたまま立ち止まった者が続出した。
まあ、想定通りなので、気にせずに鉄心の部屋に歩いて行った2人は漸く到着して招かれた。
すでに話すべき事項があるとアポは取っているので、何も問題なくスムーズに落ち着く。
そして士郎の口から単刀直入に告げられる。
「百代の体に魔術回路が備わっている可能性が非常に高いです」
「何じゃとっ!?」
「信じがたい気持ちは分かります。ですので、これから説明するのは俺の単なる推測ですが、聞いてもらえますか?」
鉄心は無言で頷いた。
――――ではと、士郎が話し始める。
そうして話を聞き終えた鉄心は頭痛に悩む仕草をしながら口を開く。
「確かに昔の川神家は神道を頂く魔術師の家柄じゃった。しかしある時期を境に、年々魔術回路は減退の一途をたどり、遂には死滅してしまったと言う。じゃが、それと引き換えに膨大な気を有する一族に生まれ変わったのが今の川神一族じゃ。そんな儂等――――いや、モモに魔術回路があったとはのう」
「今回の事は俺の迂闊さが招いた失態です。庇うどころか、巻き込むよ
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