第15話 復讐の始まり
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時間を少し遡って午前十時ごろ。
百代は金曜集会での取り決めた遊ぶ場所へ、一子と共に向かっている。
「確かにアタシも昨日の夜は早くに寝たけど、ニュースみたいな事になってるなんて思いませんでしたよね?お姉様!」
「あ、ああ・・・そうだな」
百代は一子の質問に適当に相づちを打ちながら、昨夜に士郎から言われた忠告を思い出している。
今回起きた件は裏社会が関わっている。
だから百代が体験した内容を口外しないでくれと。下手を打てば身の回りが人達が危険になると。
正直言えば裏社会の猛者達との真剣勝負は魅力的だ。
しかし裏社会では報復が有ってもおかしくは無いと言う。
そしてもし仮に自分が裏社会の猛者に敗れた場合、その報復として自分の友人や家族の命を狙われたらと考えると寒気が止まらない。
恐らくそうなったら百代も報復するだろうが、しかしやり返しても失った大切な人達は戻って来ない。
それらを想像してしまうと、矢張り周囲を巻き込むのは本意ではなく、裏社会の猛者たちへの戦いに身を投じるのは躊躇してしまうのだ。
それに二兎追う者は一兎も得ず。
百代は今のライフサイクルにそれ程不満は無い。
仲間たちとの過ごす時間は楽しいし、学校生活もそこまで不満も無い。
それに月初めから変化した掃除や精神鍛錬は若干面倒と今でも感じているが、その褒美となる強者――――士郎との組手稽古は非常に楽しい組手稽古は非常に楽しい(ある問題で苛つく事も在るが)それなりに充実している。
そこで百代が士郎の事を考えた瞬間、昨夜に不意打ち的に言われた口説き文句を否が応でも思い出してしまう。
自分の事を本気で心配してきた顔と真剣な眼差しを思い出してしまう。
それによって頬が紅潮しそうになるが、頭を振る事で百代はその気持ちを有耶無耶にする。
「ど、如何したのお姉様?」
「え、あ、いや、何でもない!」
「ならいいけど・・・」
不思議そうに見てきたワンコを勢いで誤魔化すが、今の百代――――いや、風間ファミリーにとって今はある一つの杞憂があった。
大和から最近モロの様子がおかしいと聞いていた。
そして昨夜の騒動前の金曜集会の時は本格的におかしかった。
それに今日の遊びもキャンセルして来た。
此処までくれば正直遊びなどしてられない。
多分皆も気分がのらない事だろうし、モロの為に何かしてやれる事は無いか大和を中心に何か話し合いを提案してみるかと、百代は考えながら集合地点に向かった。
−Interlude−
モロは面会謝絶されている事を知っていながら葵紋病院来ていた。
しかし彼女の病室前に居たのは看護婦では無く警察官だった。
「あの・・・如何かしたんですか?」
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