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ドリトル先生の名監督
第十幕その十一
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「それじゃあ」
「そうだよね」
「何かもう本当に」
「そうした間違ったことしたらいけないけれど」
 それでもと言う先生でした。
「基本を守っていたらいいんだ」
「そうしていればですね」
「色々食べてもいいんだよ」
「ささみやゆで卵の白身も」
「そればかり食べたらいけないってことでね」
「力士さんに合ってるものを食べる」
「高タンパク低カロリーが常に正しいとは限らないよ」
 格闘をするにしてもというのです。
「そういうものなんだ」
「ですか、それでなんですけれど」
「それで?」
「練習試合に向けて練習はどうですか?」
「うん、いい感じだよ」 
 先生はトミーの今の質問にも笑顔で答えました。
「そちらもね」
「そうですか」
「誰も怪我をしていなくてね」
「怪我がないからですね」
「それで楽しくやっているからね」
「いいんですね」
「うん、勝敗よりも」 
 先生にとっては試合のそうしたことよりも大事なことがあるのです、それは怪我をしないで楽しくすることと。
「スポーツマンシップを守ることだよ」
「スポーツマンシップも大事ですよね」
「うん、ちゃんとしないとね」
 それこそというのです。
「スポーツじゃなくなるからね」
「それはどのスポーツでもですよね」
「我が国はそれに厳しいね」
「はい、とりわけ」
 トミーは先生の言葉に頷きました、イギリスはスポーツマンシップ発祥の国でありこのことには特に厳しいのです。
「守らないと物凄く軽蔑されますから」
「僕はスポーツはしないけれど」
 それでもなのです。
「スポーツマンシップは大事だろ思うからね」
「人としてですね」
「だからね」
「相撲部の人達にもですね」
「このことも言っていたんだ」
 それこそいつもです。
「さもないと只の暴力になるから」
「お相撲は」
「うん、日本人もスポーツマンシップには厳しいけれど」
 イギリスと同じ位です。
「中には酷い人もいるからね」
「何処でもそうした人はいますね」
「剣道をやってるのに竹刀を蹴飛ばしたり生徒を床で背負い投げにする先生とかね」
「そうした人はスポーツしたら駄目ですよね」
「絶対にね」
「竹刀は剣道では凄く大事ですから」
「そんなものを蹴飛ばす人なんてね」
 それこそです、先生から見ても。
「剣道をする心が備わっていないよ」
「スポーツマンシップが」
「そんな人はスポーツ自体したらいけないよ」
 先生は強く言いました。
「実際にね」
「そうですよね」
「心から思うよ」
「全くですよね」
「そうしたことが絶対にない様に」
 先生の強い言葉は続きます。
「僕も皆にくれぐれもと話しているんだ」
「そういうことですね」
「心からね、だから練習試合で
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