二十六話:体育祭
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つの勘違いからだった。
「た、大変なことを聞いてしまいました……」
ある日の放課後、ぐだ男に抱きつくジャンヌ・オルタの姿と、ジャンヌの応援しているという言葉を知ってしまったマシュ。
「どうしましょう…。お二人は本当に付き合って……」
「どうした、マシュ。そんなところでボーっとして」
「アタランテさん…!」
「何か悩みがあるのなら、話してみろ。黙っていても何も解決しない」
3年陸上部のアタランテに声をかけられる。
ケモ耳お姉さんという、その手の趣味の人にはたまらない属性を持つ女性だ。
子供に優しく、どこか子供っぽいマシュにも気を使ってくれる。
「はい、実は―――」
好きという感情を理解していないが、慕っていた先輩に相手ができたというショックから、簡単に口を開いてしまうマシュ。
しかし、その話を聞いている者がいた。
「た、大変なことを聞いてしまいました」
アタランテとマシュの話を、偶然盗み聞きしてしまった沖田が頭を抱える。
盗み聞きなどする気はなかったが、偶然では仕方がない。
「どうしましょう……。このまま黙っていることも……」
「なんじゃ、沖田。そんなところで頭を抱えて、また持病かのう」
「ノッブ…!」
艶やかな黒髪に爺言葉、第六天魔王の異名を持つ織田信長ことノッブが現れる。
入学当初からの腐れ縁で、友人のような、宿敵のような関係を築いている。
「実は―――」
取り合えず、ノッブだけには話してみようと口を開く、沖田。
だが、彼女と同じように話を聞くものが居た。
「た、大変なこと聞いてしまったわ」
偶々通りかかったマルタが、どうするべきか混乱に陥る。
「どうしたのかしら? マルタさん」
「マリー…! 実は―――」
マリーに今聞いたことを伝えるマルタ。
しかし、またまた話は聞かれていた。
「大変なことを聞いてしまった」
「どうした?」
「実は」
連鎖は止まることなく続いていき。
「大変な―――」
「どうし―――」
「実は―――」
そして、伝説へ……。
『一体何が起きたんだろうなぁ……』
そんな、ジャンヌの勘違いから始まった負の連鎖に気づくことなく、ぐだ男は呟く。
ジャンヌ・オルタもイライラとぐだ男をつねるが、原因には気づかない。
現状では二人以外は全員が知っているという、外堀が埋められた状況なのだ。
「……考えても無駄ね。今は面倒な競技でもやっておきましょう」
『そう言いつつ、楽しんでるよね?』
「私は負けるのが嫌いなだけよ。それから、あんた放送で呼ばれてるわよ?」
『あ、障害物競走にも出てたんだった』
諦め、
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