コンフルエンス
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後にビーティーが強引に腕を刺して抜き取っていた。
おかげで傷跡や出血が凄まじい事になってなのはの血の気がサァーっと引いたりもしたが、ともかくプレシアの遺体が爆破される心配は無かった。一方でジャンゴはあの時ビーティーが言っていた“お返しの品”の正体に気付き、サイボーグの義体が爆弾一つに負けるとは思えないが、それでも彼女の安否に若干の不安を抱いた。
「それにしても……一刻の猶予もないこの時期にスカルフェイスを逃がしたのは痛いけど、あの一瞬で硬化するナノマシンは厄介だ。あの防御を突破できなければ、スカルフェイスを倒す事は不可能だよ」
「あれほどの力を与えてるんだからナノマシンの駆動には膨大なエネルギーが必要だろうけど、ある意味永久機関が体の中にあるようなものだから、エネルギー切れは狙えないね」
「サバタなら暗黒チャージでエネルギーごと暗黒物質を奪い取れるとは思うけど、いない以上は僕達でやるしかないか」
ため息をつきながら肩を下ろすジャンゴ。何だかんだで兄が好きな弟である。
「ところでふと気になったんだけど、任務に向かう時からおてんこさまの姿を見ないのはどうしてなの? もしかして、連れてくるの忘れちゃった?」
おてんこ!
「コラァ! 私は別に忘れられた訳じゃないぞ! ずっと姿を消してただけで、近くにはいたんだぞ!」
「世紀末世界でもダンジョンの攻略中は基本的におてんこさまは姿を見せないよ。なにせ僕達が必死にステルスしてる後ろに浮いてしゃべるひまわりがいたら、目立つ事この上ないだろう?」
「あ、すごく納得……。でも初めて局員相手のミッションをした時は、普通に姿を見せてたような?」
「あの時はまだ物陰にいたから、姿を消さなくても問題無かっただけだ。実際、行動を開始してからは姿を消してたのを忘れたのか?」
「そういえばそうだったね。でも姿が見えないのにずっと傍にいるって、よく考えたら幽霊みたいでちょっと怖いかも」
「いや、幽霊は世間が言う程怖くないと思うよ? ゴーストは憑りつかれるとエナジーを奪われるから面倒だけど、幽霊は大した事はしてこないし。そりゃあ場合によっては思念が強くて心霊現象を起こしちゃうのもいるけど、アンデッドと比べたら実害はかなり少ない。むしろ助けてくれた事の方が多いかもしれない、カーミラみたいに」
「ああ……確かに彼女のおかげで今の私達があると言っても過言ではないからな。彼女には返しきれない恩がある、だからこそ私達はそれに報いねばな」
「幽霊って私達が思うより割と活動的なのかもね。だけど……確かにその通りだよ、このままだとカーミラさんだけでなくサバタさんの想いまでも踏みにじられる事になっちゃう。二人とも、アリシアちゃんが酷い目に遭うのはきっと望んでないもんね。だから……
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