第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#13
決意の誓戦 “運命” VS 『運命』U 〜Destiny C/D〜
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手の視界を奪い、車体のコントロールを無効化するために。
一見単純で子供染みているが、しかし理に適った戦闘法。
細やかな心構えとよく考えるという彼女の性格が生み出した僥倖。
「クッ……! おのれぇぇぇ!
こ、こんなフザけた事で我がスタンドがッ!」
子供の描いた絵のように、
今やムチャクチャな色使いで塗り潰された魔改車は
ワイパーを高速で動かし洗浄液を噴射する。
しかし粘性と速乾性が強いペンキだったのか、
色が余計に混ざり合って拡がるだけですぐに視界は晴れない。
焦燥で充ちる車内のバックミラーに映る、少女とスタンドの姿。
「後ろを取りました。これでもう、決着はついたも同然です。
幾ら貴方の 『能力』 が強力でも、後ろには発射出来ないでしょう。
降参してください。
本音を言わせてもらえば、私は誰とも争いたくないんです」
受けた傷の痛みよりも、相手への慈悲が上回る少女の言葉。
その深情な訴えも、悪辣なスタンド使いに対しては
すぐに攻撃を仕掛けてこないという「甘さ」 としか解されない。
「フンッ! 勝ったつもりか小娘?
だが良い気になるのはまだ早いんじゃあないか?
冷静になってよく自分を見て視ろ? 気づかないのか?
お前の躰とスタンドが、何か “匂っているコトに” 」
「え!?」
想わぬ言葉に少女は自分の両手を凝視する。
それと同時に、沈黙していた一つの感覚が目覚める。
逃げるのに精一杯で、意識を向けていなかった五感の一つに。
「こ、この匂いはッ!?」
咄嗟に浮かんだのは、家族と一緒にテーブルを囲む冬の光景。
軽いタンクを片手で携え(弟がやると言い張ったが危険なので自分がやっていた)
外の物置で重くなったソレを両手でうんうん抱えながら歩く自分の姿。
石鹸で洗ってもなかなか取れない、この匂いは石油!? 否――
「ま、まさか飛ばしていたのは!?
視えなかったのも後に何も残らなかったのも!?」
「フハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!
その通りだあぁぁぁぁぁ!!
オレが飛ばしていたのは “ガソリン” だ!!
ガソリンを超高圧で弾丸のように射出していたのだ!!
よって躱した所で全く無意味!!
「気化」 したガソリンは!!
既に霧状に変化して貴様の全身に纏わりついているぅッッ!!」
高圧のウォーター・カッターは鋼鉄をも寸断する、
絶え間なく落ちる水滴は、永い年月をかけて岩をも穿つ。
この地球上で最も恐るべき兵器の一つは、
銃でも爆弾でもなく只の 「水」
「最初から攻撃するのが目的ではなく、
私達にガソリンを染み込ませる為――ッ!?」
「気づいた時にはもう遅い!! 今度こそ終わりだ小娘ェッッ!!」
底部から伸びてきた赤と黄色のコード、
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