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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#13
決意の誓戦 “運命” VS 『運命』U 〜Destiny C/D〜
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重の所で躱し続け、
最初の攻撃以降は奇跡的に無傷のまま、ここまで逃げ果せている。
 これは少女自身の 「幸運」 も有るが、
その実質は此処に来るまでの一週間に行われた
エリザベスの特訓による(たまもの)
 スタンドの操作よりも戦闘の心構えよりも、
まず一番最初に教えられたのがコレ。
『逃げるコトも、時には重要。
強大な相手から見事逃げ果せて生き残れたなら、
それも間違いなく一つの勝利。
恥じる事なく、精一杯逃げなさい。
「使命」 も 「覚悟」 も、懸命に生き抜いた
その 「先」 に生まれるモノなのだから』
(ハイ! エリザベスさん!)
 心中でそう応じた矢先に、アスファルトに並列していた
街路樹が木の葉を舞い散らせて吹っ飛んだ。
「ネズミのようにチョロチョロと逃げ回りおってぇ〜!!
そんな事で我がスタンドから逃げ果せるつもりかぁ〜!!」
 背後から機械合成音の怒号が響くが、
当然そんなものに応じる余裕もなく少女は流れる街路に視界を巡らせる。
(ア、 “アレ” は! アレは一体どこに!?
確かに有った筈です! ここまで逃げてくる間に! 
絶対見かけた筈ですッ!)
 焦燥に駆られる少女の背後でキラメキ、
咄嗟に横っ飛びになって躱すが制服の左袖とスカート片面が中の皮膚ごと裂ける。
「キャアアアアッッ!!」
 だんだん狙いが正確になってきている。
 攻防を繰り返す内に、相手も吉田の行動パターンを見切り
先を読むようになってきたのだ。
 たまらぬ痛みに両眼を閉じて地面に伏す少女。
 動きを止めた標的に、狂走のスタンドがクラクションを掻き鳴らして突進してくる。
 しかしその絶対絶命の状況を、吉田は確信に充ちた瞳で見据えた。
「ただ逃げてただけじゃありません! 
私は! 『この場所』 に向かってたんです!
“コレが有る” 此処に来たかったんです!」
 そう叫んだ少女の右手が、何かを掴んでいる。
「エイッッ!!」 
 可憐な掛け声と共に、手にしたアルミの入れ物から青い液体が撒き散らされた。
 傍に立つスタンドは両手に掴んだ二つをバケツごと投げつけて
中身をブチ撒ける。
「――ッッ!!」
 突如フロントガラスが混ざり合った無数の色彩で埋め尽くされ、
中のドライバーは反射的にブレーキを踏みハンドルを切った。
 強烈なスキール音を立てて、路面に火花を散らしながら
魔改車は大きく蛇行してガードレールに突っ込む。
 路肩に乗り上げて停止したスタンドを、整然と見つめる少女の背後。
 個人営業と思しき花屋の前に置かれた、スチール製の脚立。
 その上で店主らしき人物がペンキの入ったバケツを片手に
ブラシで看板を塗っている。
 少女は、この場所を目指して懸命に走っていた。
 ペンキで相
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