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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第6話:「修練(きょうしつ)」Bパート
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、俺らにワザと負けてくれと?・・・そんなこと、俺らには関係ねーだろ」
「そう・・・だけど」
「それにな。もし、俺が逆の立場だったらそんな勝利、ぜってーそんなこと望まねぇな」
「「「・・・」」」
「あいつだってそう望んでいるはずだ。だが、お前らそんなに勝たせたきゃ・・・本気でかかってこい!」
「「「!」」」
「そして、俺も、俺たちも全力で勝ちに行く。お前らを倒すためにな」
「天桐君・・・」
天桐は岡野に顔を向けて
「ただ、それだけです。・・・話してくれて、ありがとうございます。では、俺はこれで」
と礼を言って頭を下げ、そのまま車庫から出入り口から出て行った。
彼女たち4人は、それを黙って見送った。
一方、車庫の裏口に誰かが静かに立って、今の話を聞いていたことは誰も気付いていなかった。


決闘の日である6日、朝9時数分前
岡野戦車道教室が有する練習場
の中心部にある草原の中に1輌のM4A1戦車が停まっていた。
更に、その戦車の前には搭乗者であるハルナ達4人が並んで立っていた。
その彼女たち4人の前を岡野が歩き、立ち止まった。
すると岡野は空を見上げた
「今日の天気は、やはり一雨きそうね」
と呟く。今日の天気は、朝の予報では晴れのち曇りと言っていたのを岡野は確認していた。
他には通り雨が降る場合があるとも言っていて降水確率は40%だった。
既に空には灰色の雲がいくつも見えている。時間が経過する度にその雲は増え、更には広がっているように見える。そう天候を気にしている岡野の他に別のことを気にしている者がいた。
「遅いわね」
ハルナは自分の腕時計を見て言った。
約束の時間まであと3分もあったが、未だに決闘相手である天桐達と戦車が姿を見せていないのだ。
「まさか、あいつら逃げたんじゃないでしょうね」
と天桐達が試合放棄をしたんではないかと疑念を抱いた。
「それはないよ」
隣に居るナツコはそうハルナに言うと
「え?そ、そんなの分からないわよ」
と反論した。すると
「わたくしもそう思います。ねぇ、チフユさん?」
「・・・うん」
更に奥にいるミアキ、チフユもそう答えた。
「ミアキ、チフユも皆どうしたの?それに何か、今日は凄くやる気があるというか。まぁ、あって当然だけどさぁ」
ハルナは3人がいつもと少し違うことに戸惑っていた。
「昨日少しね」
とナツコ
「ナツコさん」
「シー」
ナツコの言った言葉を聞いてミアキ、チフユは止めた。
「昨日?あぁ、なるほどね」
その言葉を聞いて、ハルナは何かを納得したようだった。
そう話しているとどこからか
ドゴォゴォゴゴゴ
と駆動音か轟音が聞こえてきた。その音は次第に大きくなり、こちらに何かが近づいているように聞こえる。ハルナ達、それに岡野は、音の方が
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