二十五話:正夢
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う。
「お姉様…?」
「な、なんでもないわ。それより次の授業ってなに?」
「はい。たしか、数学だった気が―――」
『大変だ!』
何とかごまかして、ブリュンヒルデの気を逸らすことに成功するが、今度は別の騒ぎが起こる。
廊下からぐだ男の叫び声が聞こえ、何事かと振り返る。
『バベッジ先生が…! バベッジ先生が―――ドアに挟まってる!!』
教室のドアに挟まり、蒸気を噴出しながらSOSを出す、チャールズ・バベッジ。
水陸両用、鋼鉄のフォルム。
ロマンに満ち溢れた体を持つバベッジであるが、私生活ではこうした不便もある。
『大丈夫ですか、バベッジ先生!?』
「我は正常に稼働しているが、動くことができない。押してもらえると助かる」
『わかりました! アストルフォ、こんな時こそ怪力スキルを発動するんだ!』
「まっかせてー!」
ドアに挟まったバベッジを救出すべく、実は怪力なアストルフォが立ち上がる。
後ろに回り込み、そのロマンあふれるボディに手をかけ、一気に押し込む。
「そりゃ!!」
スポンと、効果音が聞こえるようにバベッジが抜け出していく。
途中、ミシリとドアが歪むような音が一瞬聞こえてきたが、そこは敢えて無視をする。
「動作機能、正常状態。機体損傷なし。手間をかけてすまなかった」
「このぐらい平気、平気。でも、今度も引っかかったら面倒かなぁ」
「うむ、その通りだ。機体を小型化できるように、今後調節するとしよう」
何とか脱出に成功し、アストルフォに礼を言うバベッジ。
そんな様子を呆れたように見つめながら、ジャンヌ・オルタはチラリとぐだ男の顔を盗み見る。
「あり得ない…あり得ない…なんで、あんな奴のことを夢に見たのよ……」
夢の内容を思い出しながら首を振る。
正直に言うとブリュンヒルデ以上にダメージが大きい。
あれは完全に個別ルートに入ったイベントだ。
「いくら、昨日やりこんだからって、あんな夢見るなんてあり得ないわよ……」
夢に整合性を求める必要性はないだろうが、夢の中であのような展開が起きたのだ。
嫌でも、自分が相手のことを想っているのではないかと疑ってしまう。
「夢でも選ぶとかないわ。事故よ、事故って変なフラグ立てたのよ、きっと」
必死に勘違いだと自分に言い聞かせ、心を落ち着かせる。
そこへ、心配したブリュンヒルデが話しかけてくる。
「お姉様……ゲームのやり過ぎは体によくありませんよ」
「そんなの私の勝手でしょ! ……てか、なんで知ってんのよ、あんた」
「愛の力です」
「愛って怖い!」
愛の力に戦慄するジャンヌ・オルタ。
愛とは最後に勝つものであり、不可能を可能にする魔法の言
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