EPISODE05勇者W
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が変だ。
仕草と態度と言葉づかいは相変わらずだが、何だか以前訪れた時よりも雰囲気が柔らかく感じる。
直接リサに伺う訳にもいかないので、それとなくルークに聞いてみたのだ。こういうのは、なかなか二人きりじゃないと話せないと思ったから。
「喧嘩……ってわけじゃなさそうだもんな」
「する理由がない。ガイはなぜそんなことを聞く?」
「そりゃあ……」
キミがリサに対する態度がどことなく遠慮がちに見えるように感じたから?――
遠慮?じゃない。違う。何かが違う。
俺がキミ等の態度を見る限りじゃ、ルークは一度たりともリサを見ようともしなかった。
まるで、ルークがリサを避けているようにも見えたから?
何故?と思うのは自然の流れだった。
今日のルークはなんだか「らしくねぇ」感じだった。
「ガイが何を探っているのかは知らんが、あいつはよくやってくれてるよ。不満なんてないさ」
「じゃあ、なんで「ただ……このままでいいのかと、思う時がある」え?」
「服を……買ってやったんだ。ちょっと前にな。ヘタレ騎士がしつこくせっついていたから。」
一度セシリーが一人で来た時の話だろう。しばらくの間、凱はルークの心内に耳を傾けていた。それにしても、ルークの中でヘタレ騎士が固定単語になっているとは……
「何度もありがとうと言われた。――服を買う――何てことない事さえ、あいつはこれ以上ない喜んでいた。気づかされたよ。俺はあいつに何もしてやっていなかったんだなとな」
「ルーク?」
「多分、これからも俺は気づかされるだろうな。今まで見落としていた分だけ、何度でも。でも……もしかしたら、俺の元にいるよりも、あいつにはもっと相応しい生き方があるかもしれない」
ルークは頭をポリポリと掻き――
「……と、たまに考えてしまう」
やっぱりルークは変だ。先ほどの昼食で変なモノを胃に収めてしまった所為なのか?と思う位今日のルークは変だ。
珍しく(かどうかは知らないが)、自分の気持を暴露している。セシリー達が同席している時以上に、何だか口数が増して多い。なんだか饒舌も軽くなっているみたいだ。
聞いていた凱は、先ほどのルークの言葉を思い出す。
――リサには俺の元よりも、もっと相応しい生き方があるんじゃないか?――
どうしてこのような言い方をするんだろう。実際、凱の見る限りじゃ、リサは嫌々ここで働いているようにはとても見えない。むしろ、リサは自ら進んで仕事に臨んでいる。それも楽しそうにやっているのが凱にも伝わっている。
二人の関係に亀裂があるような事はないと思いたい。
「なぁルーク。俺には上手く言えないけど……」
ここから先は凱の勝手な推測にすぎない。今の凱がルークにしてやれることは、彼の
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