EPISODE05勇者W
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っきり言った方がいいぞ」
万勉な笑みで、セシリーは言った。悪気が無い分余計ルークの神経を逆なでするのだから、返答も容赦がない。
「帰れ」「即答過ぎる!」
そりゃそうだよな。
ルークの性格から考えれば当然の答えだ。
「だいたい、刀なら金を持って来れば作ってやると……」
「分割で」
「ふざけるな」
「そこをなんとか」
「キャンベル家というのはずいぶんとケチ臭いんだな。この貧乏(元)貴族め」
「貴様、キャンベル家を愚弄するか」
「誇りだけじゃなく、金に対してもうるさいんだな」
「守銭奴に言われたくない!」
また始まった両者のやり取りに、リサは「はぁ」とため息をついた。その仕草に、凱はちょっぴりリサに同情した。
セシリーはいつもの自衛騎士団の制服、対して凱はIDアーマーを解いたラフな普段着だ。
競りが来るその時まで、凱は例のガオーブレスを市長から借り受けたのだ。本当なら厳重に管理しなければいけないのだが、無理を言ってお願いした。ヒューゴーの手配に凱はいたく感謝した。これで僅かな間ではあるが、凱自身の戦力低下はなくなったといえよう。
「ところでセシリーさん、そちらの方は?」
セシリーの隣に立っている見慣れない女性に、リサは訪ねてきた。
「改めて紹介しよう。彼女は「魔剣」アリアだ。少しの間私が警護することになって
な」
宜しくね、とアリアは笑顔で答えた。
「警護?」とリサは呟き、
「ああ、実はガイと一緒に市長に呼ばれてな」
そんなこんなでかくかくしかじか。
リサの用意してくれた昼食を頬張りながら、セシリーは経緯を語ってくれた。
「悪りぃなリサ。なんだか俺までよばれちまって」
「いえ、セシリーさんやガイさんなら大歓迎デスヨ!」
穏やかな空気と太陽の下、凱もまた昼食を頂いていた。
「今日もリサの料理はおいしそうだな。見栄えがいい」
「デヘヘ」
今日も……って事は、普段からセシリーはここで昼休憩がてらここに来てるわけか。
「ガイはいつからヘタレ騎士の御守り役になったんだ?」
「はっはっは。冗談が過ぎるぞ。ルーク?」
凱が口を開く前に、抜剣寸前のセシリーが割って入ってきた。
ヘタレ騎士というのが相当頭にきたんだなと、凱はやれやれと思いつつ、少し頭を抱えた。
「でも、今回の警護任務をセシリーに一任したのだって、彼女の力を見込んでの事だろ
う?」
「ほらルーク、ガイだってちゃんと証言してくれただろう」
「お世辞だ、お世辞」
「はっはっは。斬るぞ」
またリサがため息をついた。そんな様子を、テーブルの片隅で見ていた凱
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