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神剣の刀鍛冶
EPISODE05勇者W
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崇めるべき対象として、帝国はそれを「王」と呼び――


討伐するべき対象として、軍国はそれを「獣」と呼び――


利権を生む対象として、群集列国はそれを「機界機構」と呼び――


仮初の信仰対象として、独立交易都市はそれを「神」と呼び――


そして――


単なる研究対象として、初代ハウスマンはそれを「実験台プロトタイプ」と呼び――


やがて――


研究成果の集大成として、初代ハウスマンはそれを「癌細胞カンケル」と呼んだ――











初代ハウスマン。
唯一、最も「神」に近づいた人間である。
そして、「神」の存在を証明しようとした男でもある。
その男は「神」から、知られざる「真実」を告げられ、使者の役目を強要される。
いつか私達は選択しなければならない。
巨竜の存在を私達人間がどうとらえるか。
悪魔か、それとも神?
私達「人間」という種を否定する者。
辿り着く結末が、神の手によって委ねられているのなら、受け入れるしかない。





そんな……そんな……そんなバカな事があってたまるか!





――全ては定められている!?ふざけるな!――





これが大陸に定められし「真の浄化」ならば、私のやっている研究も決して無駄ではないのだろう。





そして時は流れていき、独立交易都市ハウスマンが設立された。





――ハウスマン、全ては君の手に委ねられている。祈祷契約、聖剣に魔剣、そして神剣によって、人間は自らを救う手だてを得たわけだ――





キャンベル。君は勘違いしている。





――ヴァルバニルを制御コントロールできるのは君しかいない。ハウスマン――





何が……何が制御できるだ?
所詮、こんなものは時間稼ぎにすぎない。
この大陸にかの黒竜が現れたのも必然だというのなら、「人間を人間として少しでも継続させる為の悪魔契約」も無駄ではないはずだ。
命尽きるその日まで、私は「神への憎悪」を重ねるようになった。
今の私に必要なのは、「神に対抗する力」だ
まず私が着手したのは、魔を秘めた剣の研究。即ち、魔剣。
ヴァルバニルという超常の存在を超える為には、ヒトの形を成した戦う魔剣へいきが必要だった。
ヒトの形をあいつに認めさせるために、ヒトの形が必要だから。
人間などいつでも滅ぼせる、「神」「魔王」「獣」「王」「機界機構」と呼ぶに相応しい存在に、抗う意志を思い知らせるために。





「神への憎悪」という血を分けた我が娘達よ。




己が刃を存分に躍らせるがいい。




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