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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
赤い閃光
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るだろう。
キリトは、今まで己を戦闘へと駆り立ててきた危険感にも似た衝動が遠ざかっていくのを感じていた。今は、ただこの少女との繋がり、絆を確かめていたい、そう思った。
アスナの体に両腕を回し、
絹
(
きぬ
)
のような髪に顔をうずめながらキリトは言った。
「22層の南西エリアの、森と湖がいっぱいあるとこ……あそこに小さな村があるんだ。モンスターも出ないし、いい所だよ。ログハウスがいくつか売りに出されてる。……2人でそこに引っ越そう。それで……」
言葉に詰まったキリトに、アスナがキラキラ輝く大きな瞳をジッと向けてきた。
「それで……?」
強張った舌ををどうにか動かし、続きを口にする。
「……け、結婚しよう」
アスナが見せた最上級の笑顔を、キリトは
生涯
(
しょうがい
)
忘れないだろう。
「……はい」
そっと頷いたその頬を、一粒の大きな涙が流れた。
50層《アルゲート》の転移門が青いテレポート光は発生した。ゲートの中央から姿を現した人影。今日という戦いを終えたフードの剣士。アルゲートに辿り着いた時、身体のどこかに溜まっていた疲労と苦痛が一気に湧き上がり、両足でその身を立たせるのもやっとだったが、それでもどうにか足を前に向けて動かし、宿に帰る。
疲れ果ててのろのろと歩きながら、今日の1日を振り返った。
今までにも自分の行動を振り返ったことはあるが、いざ振り返ってみればキリトと接触するのが珍しく思えてきた。
しかしキリトは、俺とカブトが同一人物だということを知らない。ネザーとカブト、2つの顔を持つことによって、自分自身を曖昧に感じるようになった。
攻略組のソロ剣士として戦う自分__ビートライダーとしてヴァーミン及びメタヴァーミンと戦う自分__どちらが本当の自分なのか?
今の俺には、まだ判断がつかなかった。
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