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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
殺意と変異
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きるはずがない。
右手を
顎
(
あご
)
に当てながらも考え続けるが、答えを導き出すことはできなかった。
すると、未だに哀れんだままかと思われたキリトが。
「ギルドか……」
と、かすかな声で口に出した。それに気づいたアスナが、向かいからチラリと視線を送ってきた。
「……なんだかすっかり巻き込んじゃったね……。その上ネザー君まで巻き込む形になっちゃったし。なんか、色々ごめんね」
「いや、いいきっかけだったよ。ソロ攻略も限界が来てたから……」
「………」
「そう言ってもらえると助かるけど……。ねぇ、キリト君、ネザー君」
アスナのはしばみ色の瞳が真っ直ぐ俺とキリトに向けられる。
「教えてほしいの。なんで2人ともギルドを……人を避けるのか……。ベータテスターとか、ユニークスキル使いとか、そういう理由だけじゃないよね。2人とも優しいもん」
「違う!!」
突然、向かいの揺り椅子に腰を掛けている傷痕剣士が叫び出した。
俺の叫び声に思わず2人の
仮想体
(
アバター
)
にあるかどうかもわからない心臓がドキッとした。
「な、何!?」
「どうしたんだよ!?」
「………」
叫んだ途端に黙り込み、俺は一体何をしているんだ?、と気づいた。
なぜかアスナの言葉を聞いた瞬間、無意識に叫んでしまった。どうにか誤魔化そうとする一言を口に出した。
「……いや、なんでもない。今のは忘れろ」
俺は視線を伏せ、ゆっくり椅子を揺らした。
アスナとしては褒め言葉を言ったつもりだったのだが、俺は自分の良い面を否定する。内容によっては先ほどのように大声で叫ぶこともあった。アスナもキリトも、未だに俺がなぜ否定をするのか、まったくわからなかった。
自分のことを話したくないというのは人間にとって
然程
(
さほど
)
珍しいことではないが、もしかしたらキリト君も、と思いながらアスナは視線をキリトに移して言う。
「キリト君……言いたくないなら、別に言わなくてもいいよ」
「……いや、話すよ。……アスナとネザーには、知っておいてほしいから」
この後に続くキリトの言葉は、アスナにとっては意外な言葉だった。
「……もうずいぶん昔……、1年以上かな。一度だけギルドに入ったことがある……」
自分でも意外なほど素直に言葉が出てきた。この記憶に触れる
度
(
たび
)
に湧き上がってくる
疼痛
(
とうつう
)
を、アスナの眼差しが溶かしていくような、そんな気がする。
「迷宮で偶然助太刀をした縁で誘われたんだ……。俺を入れても6人しかいない小規模ギルドで、名前が傑作だったな。《月夜の黒猫団》」
アスナがフフッと微笑み、俺は耳を傾ける。
「リーダーがいい奴だった。《ケイタ》って名前で、何につけてもメン
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