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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
神聖剣VS神速
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た。どんな理由を述べられようと、俺はそれなりの覚悟はできていた。

「まずキリト君。キミは、我がギルドの貴重な主力プレイヤーであるアスナ君を引き抜こうとしている」

「貴重なら、護衛の人選に気を使ったほうがいいですよ。ヒースクリフ団長」

嫌味なキリトの台詞に血相変えることなく続ける。

「《クラディール》の件でキミ達に迷惑をかけてしまったことは謝罪しよう。だが我々としても、副団長を引き抜かれて、はいそうですかというわけにはいかない。そこで、私から提案なのだが__」

ヒースクリフはこちらを見据えた。金属の光沢(こうたく)を持つ両眼から、強烈な意思力が貫き上げてくる。

「キリト君、欲しければ剣で__《二刀流》で奪いたまえ。私と戦い、勝てばアスナ君を連れていくがいい。だが、負けたらキミが血盟騎士団に入るのだ」

「………」

キリトはこの謎めいた男が少しだけ理解できたような気がしていた。

結局この男も、剣での戦闘に魅入られた人間なのだ。その上、自分の技に絶対の自信を持っている。脱出不可能のデスゲームに囚われてなお、ゲーマーとしてのエゴを捨てきれない救いがたい人種。ある意味、キリトに似ている。

だが俺は納得できなかった。そもそも俺が呼ばれた理由さえわかっていないというのに、ヒースクリフは自分とデュエルするようキリトに話を持ち掛けた。その言葉を聞いて、今まで沈黙していた俺は我慢できず、口を開いた。

「待て」

俺は一歩前に進み出て、正面からヒースクリフの視線を受け止める。

「キリトじゃなく、俺と勝負してもらいたい」

「「え!?」」

その言葉を聞いたキリトとアスナが驚愕に見舞われた。

「ほう、キミが私と勝負するというのかね?」

「なんであんたが俺が呼んだのかは知らないが、少なくとも下らない会話を聞かせるために呼んだんじゃないだろ。それとも、俺が相手じゃ不満か?」

自分の不満をぶつけるような台詞を吐き捨てた途端、ヒースクリフの唇が少しだけニヤッとした。

「いいだろう。私もキミとは一度戦ってみたいと思っていたからね。ちょうどいい機会だ。キミの挑戦、受けようではないか」

今思えば、これを狙って俺を呼んだのかもしれない。











「もーーー!!バカバカバカ!!」

第50層《アルゲート》にあるエギルの店の2階。様子を見ようと顔を出した店主を、キリトが1階にいるように頼んでおいて、アスナは怖いくらい必死に言う。

「なんであんなこと言うのよ!!」

椅子に腰を掛けている俺は、そんなアスナに怯えることも表情を変えることもなく対応していた。

「うるさい。もう決まったことなんだから騒ぐな」

冷酷なオーラを出しながら言う
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