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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
二刀流
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と、振り向いて《軍》の生存者達のほうへと歩いていった。

軍のプレイヤー達はヨロヨロと立ち上がると、座り込んだままのキリトとアスナに頭を下げ、部屋から出て行った。回廊に出たところで次々と結晶を使いテレポートしていく。

その青い光が収まると、クラインは、さて、という感じで両手に腰を当てた。

「俺達はこのまま75層の転移門をアクティベートして行くが、お前はどうする?今日の立役者だし、お前がやるか?」

「いや、任せるよ。俺はもうヘトヘトだ」

「そうか。ネザー、おめえはどうする?」

未だにキリトの側に立っていた俺は、「行く」という一言と共に頷いた。

「そうか。……じゃあ行こうぜ」

クラインは頷くと仲間に合図した。6人で、部屋の奥にある大扉のほうに歩いて行く。その向こうには上層へと繋がる階段がある。扉の前で立ち止まると、刀使いはヒョイと振り向いた。

「その……、キリトよ。オメエがよ、軍の連中を助けに飛び込んでいった時な………」

「……なんだよ?」

「俺ぁ……なんつうか、嬉しかったぜ。そんだけだ、またな」

まったく意味不明だった。クラインはグイッと右手の親指を突き出すと、扉を開けて仲間と共にその向こうへ消えていった。

「……お前は愚かだ。……だが……愚かゆえに、なかなかしぶとい男だ。今回の件で、お前に借りができた。いつか返す」

と、俺も口から一言だけ放ち、クラインの後に続いた。

だだっ広いボス部屋に、2人だけが残された。床から噴き上げていた青い炎はいつの間にか静まり、部屋全体に渦巻いていた妖気も嘘のように消え去っている。周囲には回廊と同じような柔らかな光が満ち、先ほどの死闘の痕跡すら残っていない。

まだキリトの肩に頭を乗せたままのアスナに声をかける。

「おい……アスナ……」

「………怖かった……キミが死んじゃったらどうしようかと……思って……」

その声は、今まで聞いたことがないほどかぼそく震えていた。

「……何言ってんだ、先に突っ込んだのはそっちだろう」

言いながら、キリトはそっとアスナの肩に手を掛けた。あまりあからさまに触れるとハラスメントフラグが立ってしまうが、今はそんなことを気にしている状況ではない。

ごく軽く引き寄せると、右耳のすぐ近くから、ほとんど音にならない声が響いた。

「わたし、しばらくギルド休む」

「や、休んで……どうするんだ?」

「……キミとパーティー組むって言ったの……もう忘れた?」

その言葉を聞いた途端。

胸の奥底に、強烈な渇望(かつぼう)としか思えない感情が生まれたことに、キリト自身が驚愕した。

俺は__ソロプレイヤーのキリトは、この世界で生き残るために、他のプレイヤー全員を切り捨て
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