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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
二刀流
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とんどは最低でも10人以上が習得に成功しているのだが、キリトの持つ《二刀流》と、ギルド《血盟騎士団》団長《ヒースクリフ》の持つ《神聖剣》だけはその限りではなかった。

この2つは、おそらく習得者がそれぞれ1人しかいない《ユニークスキル》とでも言うべきもの。今までキリトが何かを隠し通してきたというのに気づいていた俺は、()えて何も言わなかった。自分自身の身に宿る力は、ある意味キリトの《二刀流》よりも強大なスキルだ。その自分とキリトの部分を無意識のうちに重ねたのかもしれない。

これでキリトの名が2人目のユニークスキル使いとして巷間(こうかん)に流れることになるだろう。これだけの人数の前で披露してしまっては、隠しようもない。

「ったく、水臭えなキリト。そんなスゲェ裏技(うらわざ)黙ってるなんてよう」

「……半年くらい前、スキルウィンドウを覗いていたら……いつの間にか、《二刀流》の名がそこにあったんだ」

以来、キリトは二刀流スキルの修行は常に人の眼がない所で行ってきた。ほぼマスターしてからは、例えソロ攻略中、モンスター相手でも余程(よほど)のピンチの時以外使用していない。

俺はなぜか、そんなキリトの気持ちが痛いほどよくわかる気がしていた。誰にだって触れられたくないことはある。《二刀流》はいざという時のための保身だったと思うが、それ以上に無用な注目を集めるのが嫌だったのだろう。

《カブト》としての自分が注目を集めているのも同じことだ。だが誰も俺がカブトだということは知らない。それが不幸中の幸いだと言うべきだろう。正体が明るみに出れば、キリト以上の注目が集まるのは眼に見えてる。そればかりか、立ち所に俺は__《化け物》呼ばわりだ。

だが俺は今それ以上に、あのキリトが《二刀流》を持っていたことに驚きを隠せなかった。

かつて《茅場晶彦》と共にSAOを開発した時、それぞれのユニークスキルの出現条件を聞き、記憶していた。最前線に挑むプレイヤーの誰かが所持しているのではないかとは思っていたが、よりにもよってキリトが二刀流スキルを持っていたのは意外だった。

当のキリトは指先で耳の辺りを()きながら、ボソボソ言葉を続けた。

「……こんなスキル持ってるなんて知られたら、しつこく聞かれたり……色々あるだろう……」

クラインが深く頷いた。

「ネットゲーマーは嫉妬深いからな。俺は人間ができてるからともかく、(ねた)(そね)みは、そりゃあるだろうな。それに……」

そこで口を(つぐ)むと、キリトにしっかりと抱きついたままのアスナを意味ありげに見やり、ニヤニヤ笑う。

「ま、苦労も修行のうちと思って頑張りたまえ、若者よ」

「勝手なことを……」

クラインは腰をかがめてキリトの肩をポンと叩く
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