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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
軍の意向
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な声で言った。まったく……呆れるほどのお人好しだ。理解に苦しむ。

「いくらなんでも、ぶっつけ本番でボスに挑んだりしないと思うけど……」

アスナもやや心配そうだ。確かにあのコーバッツという奴の言葉には、どこか無謀(むぼう)さを予期させるものがある。

「……一応様子だけでも見に行くか?」

キリトが言うと、アスナとクライン、そしてクラインの仲間5人も相次いで首肯(しゅこう)した。俺はしばらく迷ったが、賛成多数ということで同意した。そんな俺を見てキリトが「どっちがお人好しなんだが」と苦笑しながらも、キリトは(はら)を決めていた。ここで脱出して、あとからさっきの連中が未帰還だ、などという話を聞かされたら寝覚めが悪すぎる。

手早く装備を確認し、歩き出そうとした俺の耳に__。

背後でアスナにヒソヒソ話しかけるクラインの声が届いた。(しょう)()りもなくまた、と呆れかけたが、言葉の内容は予想外のものだった。

「あー、そのぉ、アスナさん。ええっとですな……あいつ、キリトのこと、よろしく頼んます」

「え?」

「キリトの奴、口下手で、無愛想(ぶあいそう)で、戦闘マニアですが、根はいい奴なんすよ。そのため結構無茶することもありやして。まあ、ともかく、よろしく頼んます」

キリトはビュンッとバックダッシュし、クラインのバンダナの尻尾を思い切り引っ張った。

「な、何を言っとるんだお前は!」

「だ、だってよう」

刀使いは首を傾けたまま、ジョリジョリと顎の無精(ぶしょう)ヒゲを擦った。

「おめぇがネザー以外の誰かとコンビ組むなんてよう。例え美人の色香に惑ったにしても大した進歩だからよう……」

「ま、惑ってない!」

言い返したものの、クラインとその仲間5人そして何故かアスナまでもがニヤニヤと俺を見ていた。当然ネザーも見ていたが、ニヤニヤではなく普段通りの冷徹な顔だった。おまけにアスナがクラインに、任されました、などと言っている声まで聞こえた。

ずがずがとブーツの底を鳴らし、キリトは上階に続く通路へと脱出した。

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