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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
軍の意向
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一斉に声を上げた。

「お会いできて嬉しいです!」

「血盟騎士団のアスナさんですよね!?」

「俺以前からファンなんです!」

「どうか俺と握手してください!」

「いや、俺と!」

5人全員が我先にと口を開いてアスナに近づこうとする。アスナがそんな状況に少々戸惑う中、キリトはまるで有名な大スターを守る警備員のように体全体を使ってガードした。

ガードしながら振り返ると、アスナに向かって言った。

「……ま、まあ、悪い連中じゃないからな。リーダーの顔はともかく」

と言った途端、今度はキリトの足をクラインが思い切り踏みつけた

「痛!ク、クライン……」

「へへへ、さっきのお返しだ。誰の顔がなんだって……」

その様子を見ていたアスナが、我慢しきれないという風に体を折るとくっくっくっと笑い始めた。クラインは照れたようなだらしない笑顔を浮かべていたが、突然我に返ってキリトと肩を組むと、アスナから背を向けて小声で聞いてきた。

「ど、どういうことだキリト?」

「ああ、えっと……」

返答に(きゅう)したキリトの(かたわ)らにアスナが進み出てきた。

「こんにちわ。しばらくこの人とパーティー組むのでよろしく」

とよく通る声で言った。俺は内心で、えっ今日だけじゃなかったの!?と仰天(ぎょうてん)し、クライン達が表情を落胆(らくたん)憤怒(ふんぬ)の間で眼をまぐるしく変える。

それだけでなく。

「「「「「え〜〜!」」」」」

とクライン逹《風林火山》のメンバー全員が一斉にガッカリとした表情を浮かべた。

やがてクラインがギロッと殺気充分の視線をキリトに向け、歯軋(はぎしり)に乗せて唸った。

「キリト、てんめぇ……!」

これはタダでは解放されそうにない、と俺が肩を落としたその時。

「その辺にしろ」

と聞き覚えのある声が《風林火山》のメンバー逹の後ろから響いた。声に反応した全員が振り向くと、そこに立っていたのは、紺色の髪に、赤い瞳、フードを被った、キリトもよく知る少年だった。

「おお、そうそう。こいつも一緒だった」

クラインは今更思い出したように、一番後ろの位置にいた控えめな俺を眼で指した。

俺の姿を捉えたキリトは驚き、自分の《索敵》スキルに反応しなかったことを思い返した。クライン逹を止めていたせいで気づけなかっただけだと思うが、俺が風の如く現れ、風の如く消え去るのはいつものこと。もう慣れてしまったのだろう。今更驚きようもなかった。そう自分に言い聞かせたキリトは在り来たりの質問をした。

「ネザー、クラインと一緒に攻略しに来たのか?」

「いや、クラインとそのギルドメンバーとは、この迷宮区で鉢合わせただけだ」

キリトは
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