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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
軍の意向
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とんそう)した。





キリトとアスナは迷宮区の中ほどに(もう)けられた安全エリアを目指して一心不乱(いっしんふらん)に駆け抜けた。

安全エリアに指定されている広い部屋に飛び込み、並んで壁際にズルズルとへたり込む。大きく一息ついてお互い顔を見合わせると。

「……ぷっ」

どちらともなく笑いがこみ上げてきた。冷静にマップなりで確認すれば、やはりあの巨大悪魔が部屋から出てこないのはすぐにわかったはずだが、どうしても立ち止まる気にはならなかったのだ。

「あはは、やー、逃げた逃げた!」

アスナは床にペタリと座り込んで、愉快(ゆかい)そうに笑った。

「こんなに一生懸命(いっしょうけんめい)走ったの、すっごい久しぶりだよ。まぁ、わたしよりキリト君のほうが凄かったけどね!」

「………」

否定できない。憮然(ぶぜん)としたキリトの表情を眺めながら散々クスクス言い続けたアスナは、ようやく笑いを収めると。

「……あれは苦労しそうだね……」

と表情を引き締めた。

「そうだな。パッと見、武装は大型剣1つだけど、特殊攻撃ありだろうな」

「前線に堅い人を集めてどんどんスイッチして行くしかないね」

「盾装備の奴が10人は欲しいな……」

「盾装備、ねえ」

アスナは意味ありげな視線をキリトに向けた。

「な、なんだよ?」

「キミ、なんか隠してるでしょ」

「いきなり何を……」

「だっておかしいもん。普通、片手剣の最大のメリットって盾を持てることじゃない。でもキリト君が盾持ってるとこ見たことないし。わたしの場合は細剣(レイピア)のスピードが落ちるからだし、スタイル優先で持たないって人もいるけど、キミの場合はどっちでもないよね。リズに作らせた《ダーク・リパルサー》も使ってないようだし。……怪しいなぁ」

図星だった。確かに俺には隠し事がある。しかし今まで一度として人前では使ったことがない。どうにか誤魔化そうと脳裏で必死に言葉を探し回る。

「そ、それだったら《ネザー》だって盾持ってないじゃないか」

と言って数秒後。

「……あ、そうだった」

「忘れてたのかよ!」

と思わず叫んでしまった。しかし、それがアスナのおとぼけではないと気づくのにも少々遅れてしまった。

スキル情報が大事な生命線だということもあるし、またその技を知られることは、キリトと周囲の人間との間に更なる隔絶(かくぜつ)を生むことになるだろうと思ったからだ。

だが、まあ、この女になら……知られても、構わないだろうか……。

そう思って口を開こうとした途端。

「まあ、いいわ。スキルの詮索はマナー違反だもんね」

と笑われてしまった。機先(きせん)を制された格好
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