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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
白黒の交流
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ロを続けてるわけじゃないし……」
更に続く言葉は、どこか悲しげな感じに言う。
「ネザーも同じだと思う。ベータ出身者とか、ビーターとか、そういう理由じゃなくて……大きな何かを背負って生きているんだと思うんだ。うまく言えないけど、誰も本当の彼を見ようとしないから、そのことに気づけてないんだよ」
カップの中に入った紅茶に眼を向けながら、実感がこもったように言う。かつて《月夜の黒猫団》という小ギルドに所属してた頃の自分とネザーを重ねてるのかもしれない。
アスナがどことなく姉か先生のような口調で問いかけてきた。
「……でも、いくらネザー君が誰より強くても、ずっとソロでやり通していけると思う?」
アスナの表情は更に真剣味を帯びる。
「70層あたりから、モンスターのアルゴリズムにイレギュラー性が増してきてるような気がするの」
それはキリトも感じていたCPUの戦術が読み難くなってきたのは、当初からの設計なのか、それともシステム自体の学習の結果なのか。後者だったら、今後どんどん厄介なことになりそうだ。
「ソロだと、想定外の事態に対処できないことがあるわ。当然、キリト君でも長くは持たないと思うよ」
「アスナの言うことももっともだけど、一番の原因は《例のモンスター》だと思うぞ」
「例のモンスターって……?」
アスナは顔を傾けながら言った。
「ほら、前に話しただろ。最前線や中層に時々現れるという謎のモンスターの噂……」
「ああ、あれね」
2人は知らないが、キリトの言うモンスターとはこの世界で唯一ネザーだけが知っている《ヴァーミン》のことだ。
このゲームが開始されてから、何人かのプレイヤーが虫の姿をした人型モンスターを見たと聞いたことがある。実際、プレイヤーがヴァーミンに殺されたという事件も起き、さらにヴァーミンを撃退するという謎の《赤いスピードスター》の目撃情報も寄せられている。この噂は最前線で戦う攻略組、中層よりもっと下の層で暮らすプレイヤーにまで流れるようになり、いつしか情報屋のリストにも載せられるようになった。真相を確かめるため《血盟騎士団》が調査を行ったことがあるが、結局なんの手掛かりも発見できず、調査は煮詰まっていた。
この重い沈黙を破るように、アスナが問う。
「そういえばキリト君、赤いスピードスターを見たって言ってなかった?」
「ああ、言ったよ。何年も前からSNSやブログで見てきたからな」
《ソードアート・オンライン》が発売される何年も前に、ネットである噂が話題になっていた。
火災や銀行強盗の現場にいた人々がなぜか一瞬の内に救い出されるという不思議な現象。その人達全員が、気づいたら外にいた、と証言した。さらに現場で赤い影を見たと言う人も何人か確認
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