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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
S級食材
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れることまであるようだ。
もっとも、アスナに正面切ってちょっかいを出そうという者はそうはいないだろうが、警護に万全を期するというギルドの意向もあるようで、彼女には大抵複数の護衛プレイヤーが付き従っている。今も、数歩引いた位置に白のマントと分厚い金属鎧に身を固めたKoBメンバーと思しき2人の男が立ち、ことに右側の、長髪を後ろで束ねた痩せた男が、俺やアスナと共に行動中のキリトに殺気に満ちた視線を向けている。
俺は指をその男に向かってヒラヒラ振ってやりながら言葉を返した。
「珍しいな。俺の足下にも及ばない《閃光》が、バカ剣士と一緒にこんな店にやってくるとは」
俺がアスナを
愚弄
(
ぐろう
)
するのを聞いた長髪の男と、自分の店をこんな呼ばわりされた店主と、自分をバカ剣士と言われた少年の顔が同時にピクピクと引き攣る。だが、店主のほうはアスナから、お久しぶりですエギルさん、と声をかけられると途端にだらしなく顔を緩ませる。
アスナは俺に向き直ると、言った。
「それより聞こえたよ。《ラグー・ラビットの肉》を売却するそうね」
「ああ。俺が持ってても仕方ないアイテムだしな。というか、お前こいつを調理できるのか?」
「もちろん。料理スキルの熟練度なら、先週《
完全習得
(
コンプリート
)
》したわ」
「………」
俺は無言だったが、阿呆か、と一瞬思った。
熟練度は、スキルを使用する度に気が遠くなるほどの遅々とした速度で上昇してゆき、最終的に熟練度1000に達したところで完全習得となる。ちなみに経験値によって上昇するレベルはそれとはまた別で、レベルアップで上昇するのはHPと筋力、敏捷力のステータス、それに《スキルスロット》という習得可能スキル限度数だけだ。
「なるほど。それならS級食材も簡単に扱えるわけだ」
俺はしばらく顔を下に向け、検討した。
正直、少しではあるがラグー・ラビットを食してみたいという思いが強くなった。しかし、これ以上アスナやキリトには近づきたくないという気持ちが板挟みとなり、決断を下すのが難しくなってる。
キリトに売れば儲かるが、ラグー・ラビットを食するチャンスが二度となくなる。だが俺の頭の中ではすでに答えが出ていた。
「……キリト、ウィンドウを出せ」
「え、なんで?」
「S級食材を渡すために決まってんだろ」
「ああ、そういうこと」
俺とキリトは指を振ってウィンドウを表示し、俺は《ラグー・ラビットの肉》をキリトのアイテムウィンドウに移した。受け取った後、キリトは俺に10000ほどの金額を支払った。
「これで、取引は終了だ」
俺はウィンドウを閉じ、店の出入り口へと2、3歩前に足を踏み出す。
「待って」
途端、アスナに名前を呼ばれ、俺は一時的
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