第8話 指摘をすると言うこと
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なのはが今、はやてに連絡をする理由。彼女自身が異世界の場所を知らなかったのである。
「なのはちゃん、お待たせなぁ」
画面に1人の女性が現れた。
「あっ、はやてちゃん……たびたび、ごめんね?」
「別に、えぇよ……ヴィヴィオは、久しぶりやー。アインハルトは元気しとる?」
はやては彼女の横にいたヴィヴィオに挨拶する。
「お久しぶりです。はい、元気です」
ヴィヴィオは、笑顔で返答した。
そんなやり取りを微笑ましく横で見ていた彼女は、はやてに向かって間髪入れずに本題に入ろうとしたのだが――
「それでね――」
「異世界が何処なのか? ……やろ?」
「えっ!? ――なんで、わかるの?」
「いやなぁー? なのはちゃん……異世界って言った途端に目を輝かせていたから……たぶん聞いていないんやろなーって思ってなぁ? あとでメールしとこ思っていたところなんや」
「にゃはは」
さすが小学生時代からの付き合いである。自分の行動など見透かされていたことに、苦笑いを浮かべる親友なのだった。
そんな彼女に微笑んで――
「異世界の名前は、フロニャルドや」
はやては優しく、そう伝えたのだった。
満面の笑みと苦笑いの笑み。そんな対照的な2つの笑みを見ながら、経緯は不明瞭ではあるものの、単純にフロニャルドと言う新しい知識の吸収を待ち望むヴィヴィオなのであった。
ちなみに、ヴィヴィオもはやてに、トリルとナナミの話を聞いてしまえば早いのではあるが、母の立場と、はやての気苦労を考慮してトリル本人に聞いてみることにした、とても心優しい女の子であることを追記しておこう。
☆★☆
そんな経緯があったことを、説明を聞きにきたヴィヴィオが話してくれていた。そのことを思い出しながら、苦笑いを浮かべる高町親子に苦笑いを送るトリルだった。
彼は未だに会話に花を咲かせる少女達を横目に、目の前の少年。そして、この出会いを与えてくれた少女。
そんな2人の親友であり、彼にとってはシンク達と同じくらい大切な少女。今はフィリアンノ城を目指しているであろう少女に、思いを馳せながら歩き続けているのであった。
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