第8話 指摘をすると言うこと
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を持っていた彼女。先日、シンクのおかげで知らない世界を知ることができたばかりの彼女。それが他にも知らない世界が存在する。
その世界のことが、もっと知りたい。そんな想いが表情に出ていたのかも知れない。
「それでさ?」
説明を聞いていた彼女に、優しく微笑んだ彼は――
「僕自身も久しぶりに行ってみたいんだけど……ミッドチルダに格闘技を習っている子達や、魔法を扱える子達がいるんだよ。だから、異文化交流ができないか、領主様に頼んでみてほしいんだけどね?」
そんな申し出をするのだった。
しかし彼女は気づいていなかった。いや、知らない世界に気を取られていたのかも知れない。
そう、彼女は彼に『自分が領主との関わりがある』とは一言も話していなかった。
だが彼は、はっきりと『領主様に』と頼んでいた。
とは言え、事の真相は彼女にとって、本当に些細なことなのだとも思う。
彼女はその場でシンクとレベッカに連絡すると、それぞれで各領主様へ話を通していた。
3国の領主様は勇者の紹介に快く承諾して、異世界の来訪者を歓迎する手筈を整えるのだった。
☆★☆
「――こんなことがあったんですよ?」
「そうだったんですかぁ。よくわかりました」
「僕も納得できました」
所変わって、こちらはフィリアンノ城を目指して歩いているミルヒ達一行。
トリルからの説明を受けたミルヒとシンクは、同じような納得の笑みを溢して彼に言葉をかけていた。
横を歩くエクレとリコも笑顔を浮かべて無言で頷いていた。
そんな納得してもらえた表情に安堵を覚えていた彼の視界に、バツの悪そうな苦笑いを浮かべる高町親子の姿を捉えた彼は、2人に向けて苦笑いを浮かべるのだった。
そう、ナナミからミルヒ達に上手く伝わらなかったように、こちらの親子にも上手く伝わっていなかったことを思い出す彼なのであった。
○●○
話は戻り、2人の『O・HA・NA・SHI』が招いたすれ違いの直後――。
「それでね? ……」
自分の勘違いに気づいていたのはヴィヴィオだけ。なのはは自分のミスも、娘の思考にも未だに理解していなかったのだが、気にする素振りも見せずに自然と説明を続けていた。
それが『高町なのは』と言う女性だと知っているヴィヴィオは、そこは気にせず彼女の言葉に耳を傾けたのだった。
ところが、この話自体がトリルからはやてへ。はやてからなのはへの又聞きだったと言う点と、舞い上がっていたなのはからの説明だった為に、彼女には全く理解ができない状態だったのだ。
そもそも話した本人ですら理解できていない状態なのだと、説明直後の娘の問いで感じていたのだから仕方がない。
しかし好奇心旺盛な彼女は、疑問を曖昧にするのが気分的にイヤだ
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