第6話 召還と転送
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そんなシンクとトリルが見つめる先――。
少し前方を歩くヴィヴィオとアインハルト。その横を歩くミルヒとエクレとリコの3人は、楽しそうに彼女達の話に耳を傾けていたのである。
「……なるほど、みなさんは次元航行……船? ……と言うものに乗っていらしたのですね?」
「はいっ、そうなんです! 姫様」
「そうなんですかぁ」
ミルヒ達は彼女達との会話で、彼女達の世界『ミッドチルダ』について色々と話を聞いていた。
そして、彼女達は次元航行船と言う乗り物で来訪してきたことを知る。
彼女が確認のつもりで訊ねると、純真無垢な瞳を輝かせて、元気な声でヴィヴィオが肯定をする。
彼女はそんな輝いた瞳を見て、何故だか自分も幸せな気分になって微笑みを浮かべながら相槌を打っていたのだった。
一方、ミルヒ達とは数歩ほど離れた位置で会話を聞いていた少女。
ヴィヴィオの言葉を受けて『この手』の話に目がない――もとい、目を星のようにキラキラと輝かせ、尻尾をパタパタと振りつつ『愛くるしいフットワーク』で、リコはインファイターさながら、アインハルトの懐に飛び込むのであった。
本来ならばヴィヴィオの懐に飛び込むべきなのだろうが、リコの進軍経路には――
ビスコッティ共和国の誇る親衛隊隊長と、彼女の守護するべき相手である代表領主が、リコの行く手を阻んでいたのである。
いかに小柄なリコであろうとも、2人の妨害を掻い潜って敵本陣へと到達するのは困難であった。
その為に経路を変更して、手薄となったアインハルト陣営に突撃を決行したのである。
つまりは、2人がヴィヴィオの傍で会話に夢中になっている為、自分が割って入るのは無粋だと感じて、隣を歩いていたアインハルトへと話の矛先を変えたのであろう。
「――そ、その船では、異世界へ自由に移動が可能なのでありますかっ!?」
「――そ、そうなりますね?」
そんな彼女にゼロレンジ射撃ばりの好奇心の口撃を許したアインハルトは致命傷を回避するべく、半歩ほど後退しながら苦笑いを浮かべて、逃げ腰のカウンターのような言葉を返すのだった。
とは言え、彼女は別にそのような接し方をされるのがイヤな訳ではない。普段から似たような生活を送っているから慣れているのだろう。
どちらかと言えば、今ではその接し方を好んでいるようにも思える。
もしかしたら、咄嗟にギュッと抱きしめたくなる衝動を抑える方が大変な時もあるのかも知れないのだが。
彼女は視線をリコから、彼女と良く似たタイプの少女へと移した。
視線の先の少女は、ミルヒとエクレと既に話の続きを楽しんでいる。
リコも会話が続いていることに気づいたのか、視線を彼女達の方へと移す。
2人は自然と会話の輪の中へ戻っていくのであった。
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