第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#12
PHANTOM BLOOD NIGHTMAREW 〜Master Of Circular〜
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戦闘中ソラトが主要に用いていたのは明らかに後者。
確かに恐ろしいまでの破壊力とスピードだったが、
「技」 ではない故にシャナの斬撃と比べれば遙かに読み易い。
(悪いが終わりだ……! 小僧……ッ!)
『総力戦』 である以上、短期で勝利した方が有利になるのは必然。
承太郎は微塵の躊躇もなく、んしょんしょとビルの内部から
大剣を引き抜こうとしているソラトにスタンドを放った。
(!)
しかし拳を構えて撃ち出されたスター・プラチナの耳が、
直前で空を切る音を捉えた。
認識からの推測よりも速く、
力の方向性を換え頭上へと飛び去った承太郎の影に
無数の蔓が唸りを上げて殺到する。
物理的な強度を無視してその山吹色の蔓は頑強な建材で構築された
ビルを内部の鉄筋ごと打ち抜いた。
衝撃で外れた大剣を片手で持ちながら、ソラトがふぅと汗を拭う。
咄嗟の事態だったので飛び過ぎた承太郎が、
11階の壁面に掴まりながら見た光景。
ドレスを着た金髪の少女が、大樹の幹から優美な仕草でこちらに指を差し向けていた。
傍では自律行動で躍りかかる蔓の群れに、シャナが悪戦苦闘している。
どうやら一対一の戦いだと思い込んでいたのはこちらのみで、
端から少年と少女はチームプレーでかかるつもりだったらしい。
「オッッッラアアアアアアアアアッッッッ!!!!」
ならばとスタンドで壁面を蹴り、
流星の速度で承太郎は大樹へと一直線に挑みかかる。
すぐに夥しい数の蔓が行く手を阻むが、
目標を見据えパワーを練り込んだ
近距離スタンドのスピードには追いつかない。
ヴァガァッ! という凄まじい炸裂音。
しかしスタンドを通じて硬質な感覚と、
痛みにも似た痺れが肘を経由して右肩を突き抜けた。
「……」
足場のない空中で、ソラトが大剣の腹を盾にして
スタープラチナの拳撃を受け止めている。
打撃面からは白い煙が上がっていたが、
分厚い刀身自体は砕ける事も拉げる事もない。
「ティリエルに、手ぇ出しちゃダメ」
「ありがとう。お兄様」
無垢な双子の言葉が交わされた刹那、
巨大な剣の表面に突如血色の紋様が逆巻くように浮かび上がった。
(ヤ、ヤベ、ェ……ッ!)
攻撃を防がれた事よりも、最初から警戒していたある懸念。
それが最悪の状態で的中したコトに、承太郎は口中を軋らせた。
瞬間、背後からミエナイ手で引っ張られるように躯がガグンッと揺れ
急速に双子の姿が遠のいていく。
だが。
「がッ!?」
「あうぅぅッ!」
空間を疾走する二人の全身から血が繁吹き、苦悶がほぼ同時に上がった。
咄嗟に承太郎の傍に近づき、硬めた黒衣の一部を足場にして飛び去った
シャナの機転により直撃は免れたが、代
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