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ViVi・dD・OG DAYS
第1話 再会
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ばされてしまったのだった。
 とは言え、なんとか無事にミルヒ達との再会を果たしたシンクとナナミ。
 それと同時に、普段通りの召還では出会うことがないであろう――竜の巫女達との出会いや魔物との遭遇。
 はたまた、竜の巫女と知り合ったからこその――空の巫女や里の歌姫達との出会いさえも果たしていた。
 勇者とは決して魔を滅ぼす者を称える言葉ではない。
 勇者とは勇気ある者。
 困難に立ち向かう者。
 与えられた試練を乗り越え――前人未到の新しい道を切り開く者。
 つまり神に選ばれし者を称える言葉なのだと思う。
 そう、まさにフロニャルドの勇者達は常に前人未到の新しい道を切り開いてきた。
 前回の件も然り――そんなところが勇者たる素質なのだろうとも思える出来事であったのだ。
 何はともあれ、前回のような出来事もなく、普段通りの再会であることを互いの体温で確かめ合う2人なのであった。

☆★☆

 彼の手は未だに彼女の頭を撫でている。彼女も嬉しそうに、尻尾を振って受け入れている。
 すっかり2人だけの世界に入っているのだが――

「――んんっ!」

 ミルヒの背後。少し離れた場所に立っていたビスコッティ騎士団親衛隊隊長。
 エクレール・マルティノッジ――エクレの愛称で呼ばれる少女の苦虫を潰したような表情を浮かべた咳払いに、2人はハッと我に返ると、慌てて顔を赤らめて離れるのだった
 ミルヒと距離を取った彼は、視線を移してエクレと――。
 彼女の横に立つ、ビスコッティ王立学術研究院主席のリコッタ・エルマール――周りからはリコと親しみを込めて呼ばれている少女へと、再会の喜びを表す満面の笑みで近づくのだった。

「――エクレとリコも、久しぶり!」

 2人の前に立った彼は満面の笑みのまま、再会の挨拶と握手を交わす。

「勇者様、お久しぶりなのであります……えっと……大変申し訳ないのでありますが……」
「――ふんっ! ……貴様は、姫様を何だと思っているんだか。そもそも今日は迎えに行かねばならないところがあると言うのに」
「「……そうでした」」

 彼の言葉に対してリコは笑顔を浮かべて挨拶を交わしたのだが、長話をしていられる時間はないのだろう。苦笑いの表情に変えて早々に話を切り上げようとしていた。
 その横で顔を赤らめながらも、彼を邪険に扱うエクレ。
 だが、この後の予定についてはシンクとミルヒも承知している話。2人は同時に苦笑いを浮かべて答えるのだった。

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