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ViVi・dD・OG DAYS
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 自分達大人は、少女の小さな肩に乗り切らないほどの重責を与えているのではないか?
 その重責を少しでも減らすことができているのだろうか。
 そんなことを思いながら表情を曇らせ、少女の寝顔を眺めていたのである。

 だが、メイドはふとベッド脇に置かれているテーブルの上を見つめて表情を和らげる。
 確かに以前の少女は、辛く悲しいことが多かったのかも知れない。
 この国も彼女同様に辛く悲しい日々を送っていた。
 しかし数ヶ月前、少女の前に颯爽と現れた1人の少年によって彼女は――この国は明るい笑顔を取り戻す。心に希望が満ち溢れることとなる。
 それ以降、彼との生活を重ねるうちに次第と昔の様に心からの笑顔を取り戻していった少女。ごく普通の少女としての有意義な時間を過ごせる様になった彼女。
 そんな、ごく当たり前の生活でさえ送れなかった少女を――大人の誰もが救えなかった彼女を、本当の意味で救い出した勇気ある者。
 文字通り、その少年は少女の勇者となったのである。
 そして、彼と出会ったおかげで新たな出会いも生まれた。
 彼の友人2人との出会い。その2人を含めた3人の勇者のおかげで与えられた新たな出会いの数々。
 そして――彼らが繋いだ異世界との交流。
 今の少女には未知なる素晴らしい未来が笑いかけてくれているのだろうと、メイドは思っていた。
 少女を照らす暖かな日差しのように――自分達も少女をいつまでも照らしていきたい。
 そして少女の笑顔を、この幸せそうな寝顔をいつまでも守っていくことを誓いながら、自分の主の寝顔を優しい微笑みを浮かべて眺めていたのだった。
 
♪♪♪ 
  
「……ほぉっ、んん。はぁむ、んっ。おはよう――リゼル」

 降り注いだ日差しで目が覚めたのか、眺めていたメイドの優しい雰囲気を感じ取ったのか――ベッドの中で眠る少女が愛くるしい瞳を薄く開き、言葉にならない声を奏でる。
 やがて意識も起きだしたのだろう。彼女は視界に入るメイド――リゼルを見つめて優しく挨拶をするのだった。

「おはようございます、姫様。今日も良いお天気です」
「……本当ですぅ」

 そんな愛くるしい姿に微笑みを浮かべて、リゼルは少女に挨拶を返す。
 姫様と呼ばれた少女――ミルヒオーレ・フィリアンノ・ビスコッティ。
 フロニャルド大陸南部に位置する、ビスコッティ共和国・フィリアンノ領の領主にして、共和国の代表領主の彼女。周りからは姫様と親しまれており、略称は『ミルヒ』と言う。
 ミルヒはベッドから起き上がり小さく伸びをすると、視界のぼやけた寝ぼけ(まなこ)をこする。すると、その動作に釣られたのかピョコピョコと彼女の耳も、眠気を飛ばすかのように動くのである。
 起き上がった彼女の半身を暖かな日差しが包み込んでいる
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