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逆襲のアムロ
37話 まだ見えぬ夜明け 3.11
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類すべてに叡智を授けてみせよと告げた。それがこの7年間で私が努力したことだ。勿論その為の犠牲は私の責任でもある。アムロ、お前の様なニュータイプこそが様々な問題にあたり、考え、解決すべきだった」

そうシャアはアムロに言い、ラウンジを後にした。その表情にアムロはため息を付いた。

「(オレを買いかぶらないでくれ。思想などそんなことよりも日常の平和を保つで精一杯だし十分だ。シャアのような志はオレにはない)」

アムロは一人ゆっくりと昇りそうな朝日を見つめていた。

「(だが、ララァはあの砂嵐の根源を消した。そして理に触れてはならないと。あれを何を意味していることなのか・・・)」

いくら自問自答しても答えは得られない。ララァは味方なのかもしれない。でもシャアはそんな考えがナンセンスな存在だと言っていた。もうすぐアーティジブラルタルへ到着する。これから宇宙に上がり、残されたティターンズ残党と決戦を行う。一つ一つの積み重ねが答えを導きだしてくるだろうと楽観視することに決め込んだ。

* アーティジブラルタル 推進ロケット台 ラー・ヤーク 艦橋 11:00

固定された装置にラー・ヤークは乗っていた。乗っているだけならばまだ水平なのでブリッジに主要クルーが集まっていた。その中でクワトロと名乗るシャアが話をしていた。皆最初は訝しげにシャアを見ていた。明らかにあのネオジオンのシャアと瓜二つだったからだ。

元々自身でも道化と評す程演じるに巧みなシャアは怪しい点を感じさせず殆どの全クルーに話を信じ込ますことに成功していた。自身のシャアとの類似も世に似た人物など探せばいたりするものだということで片づけた。最もアムロとのタイムワープの件を除いては、そして搭乗していたカイ、ミハル、ハヤトを除いては。

「・・・と言うことで今日に至っている。何か質問でも有ればどうぞ」

するとカイがすっと手を挙げる。そしてとても直線的な責任を問う質問を投げかけた。

「クワトロ秘書官。個人的に聞きたいことは個人的にしたいと思います。さしあたりゴップがビスト財団通じて、またその逆かも知れませんが、人類の革新という当てもない計画がジオン独立戦争と今日までの犠牲者を生んできたという話でよろしいのでしょうか?」

クルー皆が当然の様に思っていた質問だった。悪意が皆シャアに向く。今までの戦いが為政者によるものだとシャアは告白していた。その取り巻きの1人であるシャアに矛先が向いた。シャアは頷く。

「そう取っていただいて構わない。成り行きでそうなった迄だが、いつの世も為政者が舵を切ってその方角がたまたま悪天候だったという話。それは舵取りの責任である」

シャアは一つ間を置いて、再び話し始めた。

「今までもそれを乗り越えては反省をし、人は学んできた。
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