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逆襲のアムロ
37話 まだ見えぬ夜明け 3.11
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* シロッコ艦隊 旗艦艦橋 3.11

シロッコは艦隊を微速前進に切り替えた。艦橋で士官たちが戦端を開くよう催促していた。ライラも不満をぶつけてきていた。

「シロッコ!怖気づいたのかい。今突っ込めばこちらが優勢なんだ。わかるだろ!」

シロッコは腕を組んで沈黙していた。艦隊の微速航行には2つ理由があった。
1つはティターンズ本隊の沈黙。もうひとつはメシアの行動だった。

シロッコはここに来て迷いが生じていた。

「(メシアは独自で行動を始めた。私の制御から離れたのか・・・)」

シロッコは自身の及ぶ力で彼女を管理していた。より強いシステムで彼女を閉じ込めようとした。その為にユニコーンを与えた。ユニコーンのシステムはパンドラボックスに近いものだと聞いていた。
日に増す彼女の力を抑えるにはこの世俗の感情を糧に取り込むユニコーンのシステムが一番だった。

それもいつまでも続かないだろうとシロッコは考えていた。彼女を攫ったときの自分の演技は本当に道化だった。そこまで虚勢を張らなければ自分がたじろぐ程だった。あの時の彼女の意思も大いなる意思の下作用されているものだと感じ取ることができた。あのプレッシャーに当てられれば大抵のニュータイプの種も芽吹く。シロッコ自身も例にもれない。

彼女を無理やりにも縛らなければならなかった理由は野放しにできなかったの一言に尽きた。自分が人より秀でていることに自覚はあるが故に見えた予測。実際に在り得ない現象を見せた。閃光の如くドゴス・ギアを貫き、地球へ降りたと思いきや、地力で宇宙へ舞い戻る芸当。異常だった。

シロッコは悪寒を感じた。後背にあるフロンタルよりも絶望的な感覚を。決して彼女は・・・救いたい想いが真実でもその逆らえない意思が人類救済しないだろうと。

「(希望と絶望がこんなにも背中合わせなものなのか・・・)」

メシアが善でもフロンタルが悪でも、到達点が同じならば意味がないとシロッコは見ていた。
シロッコの見る未来。それは過酷な道を歩みながらも生きる人の姿だった。

「(所詮は私と言えど、人のあがきと言う訳か・・・。超自然の前では)」

5分ぐらい瞑想していた。その姿にライラを始め士官らがシロッコの姿に驚きを見せた。

「あのシロッコが考えている」

ライラがそう呟く。今まで即断即決な計算された指示しか、話しかしないシロッコにおいて質問が返ってこない事に皆が危機感を感じた。

シロッコがゆっくりと目を開いた。事を為して結果を見ようと決断した。

「いずれにせよア・バオア・クーは落とさねばなるまい。サラ」

傍に居た小さな士官へ声を掛けた。

「お呼びですかシロッコ様」

「ロンド・ベルが交戦状態に入ったことを見計らって我々も前進を開始すると艦
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