暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第百十八話
[6/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
も、メインターゲットにも関わらず無視されることが決定したストーンゴーレムは、森の奥から豚型モンスター《リバーススタンプ》を呼び出している。

「でも、アレを完全無視ってのは難しそうだけど……」

「それについては大丈夫。ね、ショーウーキ?」

「あー……任せろ」

 レインからの指摘の通りに、ゴーレム型モンスターの例にもれず、一撃の威力を甘く見ることは出来ない。ただし今回のストーンゴーレムはその出自から、ゴーレムの部品を持っている者を集中的に狙うという性質がある。要するに俺のみに狙いをつけるということであり、リズからの笑顔に半ば諦め気味に頷いた。

 まさかリズとこのクエストをクリアした時、冗談めかして、こうすれば無限に生肉が手に入る――などと、冗談めかして言っていたことが、こうして現実になるとは。

「それじゃ……作戦開始!」

 リズの号令一下、とりあえず俺はみんなから離れていく。損な役回りではあるが受け入れるしかなく、ストーンゴーレムはすぐさまこちらに向かってきた。ひとまずは日本刀《銀ノ月》に手をかけるまでもなく、とりあえずはリズたちから離れるように疾走する。

 部品を失っているからか、ストーンゴーレムの移動速度はかなり遅く。こちらが全力で走っていれば、確実に追いつかれることがないと確信できた。前にクリアした時のことも思ったことだが、運営はどうやらレプラコーンという種族の戦闘能力を甘く見ているらしい――俺たちが少数派かもしれないが。

「……ん?」

 走ることしばし、一目散にこちらを追ってきたストーンゴーレムは、ピクリとも動かなくなった。かと思えばすぐさま反転し、リズたちがいる方向に走っていく。

「しまった……!」

 やはり足の一本か二本を斬っておくべきだったか――と、舌打ちしながら、俺もストーンゴーレムの方に反転すると。またもやストーンゴーレムは反転し、こちらに向かって走ってきた。

「…………」


 ――脳裏に浮かんだ仮説を試すべく、俺は再びストーンゴーレムから離れていく。するとストーンゴーレムは反転し、リズたちがいる方向に走っていく。それを追って俺が距離を詰めると、ストーンゴーレムは反転して俺を追ってきた。俺は再びストーンゴーレムから離れていく。するとストーンゴーレムは反転し、リズたちがいる方向に走っていく。それを追って俺が距離を詰めると――

「……なるほど」

 要するにこのストーンゴーレムは、部品を持ったプレイヤーがあるエリア外に出た瞬間、自身はエリア外から出られないためか標的から外すらしい。そしてエリア内にいるプレイヤーの方に目標を変えるが、エリア内に再び部品を持ったプレイヤーが現れた場合、またもやそちらに標的を変える。

 ――要するに部品を持った俺が、その
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ