暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第百十八話
[11/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
フロアボスを1パーティーで攻略した連中を見てみたいーって、それで手土産にお肉貰って」

 確かにシャムロックの本部を見てみれば、今まで少なかったサラマンダーのプレイヤーが増えており、キリトと話し込んでいるユージーン将軍など、中にはサラマンダー領の有名なプレイヤーの姿もあった。特にスリーピング・ナイツのメンバーは質問ぜめに合っており、ノリが帰ってきたこちらに気づいた。

「あのインプの子! あの子があたしたちのリーダーだから、あの子に聞いて!」

「え!?」

 ノリの一言で視線がこちらに――というかユウキに集中し、残った俺たちはそそくさとユウキから離れていく。それから一瞬後にユウキはプレイヤーたちに囲まれ、逃げるのが遅れていたらどうなったか考えゾッとする。

「うわー……あ、お姉ちゃん、ライブの後は休憩しててあんまり食べてないでしょ? 一緒に食べよ!」

「う、うん……」

 レインの中では、恥ずかしくて部屋の片隅で体育座りするのが休憩なのか――などと口から出そうになったが、レインの名誉のために実際に口に出すのはやめる。決して、セブンに腕を引かれて去っていくレインから、視線で念を押されたわけではなく。

「えっと、私は……」

「グウェンはこっち、だろ?」

 誰かを探してキョロキョロと辺りを見渡していたグウェンの肩に、ポンとルクスの手が置かれた。もう片手にはジュースが入ったコップが2つ入っており、片方はグウェンに渡していく。

「ありがとう。グウェンのおかげで、こうしてみんなでパーティーが出来るよ」

「ルクス! そ、その……」

「何だい?」

「今まで……ごめんなさい。これからまた、よろしくお願い……しても、いいかな」

 俯きながら謝罪するグウェンに対して、いつもの柔らかい笑顔のまま、ルクスはグウェンの頭を撫でていた。驚いてその場から飛び跳ねたグウェンだったが、そちらに手を差し伸べていたルクスの手を、おずおずと受け取って歩き出していく。

「ああ。これからまた、よろしく。……それじゃ、私の仲間たちの紹介から」

「う……また謝らないとね……」

 そんな会話をしつつルクスとグウェンもまた、先の二人のようにどこかに歩いていくが、グウェンは何かに気づいたようにピタリと足を止める。そして少しだけ頬を赤く染め、俺とリズがいる方向へと振り向いた。

「……ありがと!」

 ……それだけ、怒鳴りつけるようにこちらに伝えてきながら、グウェンはルクスの手を引っ張って無理やり走り出していく。ポカンとしてしまう俺とリズだったが、すぐさまどちらからともなく笑みがこぼれた。

「……良かったわね、ルクス」

「ああ。ナイスな展開になったってことで――」

「――二人は、これから
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ