sts 31 「決戦の始まり」
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状況の解析が進む中、俺を含めた前線メンバーは会議室に集められた。そこで艦長席に居るはやてから今後の方針についての話を受ける。
『理由はどうあれレジアス中将や最高評議会は異形の天才犯罪者ジェイル・スカリエッティを利用しようとした。そやけど……逆に利用されて裏切られた。どこからどこまでが誰の計画で何が誰の思惑なのか、それは分からへん』
それはそうだろう。はやての前にミゼット提督が話をしていたのだが、それによれば最高評議会の3人は旧暦の時代……まだバラバラだった世界を平定した者達であり、その役割を継いで現在も活動している時空管理局を見守るために評議会制を作った連中だ。
最高評議会の連中がどういう奴らなのか俺は知らない。だがスカリエッティなんて男を利用して平和を築こうとしたあたり、心から信用できる善人ではないだろう。考え方によっては、自分達の描く平和を作り出したいと考えるエゴイスト達なのではなかろうか。
……いや、今はそんなことは些細なことだ。組織の上の人間がどうであろうと、目の前の現実が変わるわけじゃない。俺達がすべきことは……
『そやけど今、巨大船が飛んで街中にガシェットと戦闘機人が現れて市民の安全を脅かしてる。これは事実……私達は止めなあかん』
はやての言葉になのはとフェイトが代表するかのように力強く頷く。
そう、俺達が成すべきことは今起こっている事態を終息させること。俺は全ての人間を助けたいと思う善人でもなければ、窮地に必ず駆けつける正義の味方でもない。
俺の両手はふたつしかないし、その届く距離も限られている。昔と比べれば遠くまで届くようになってはいるが、だとしても助けられるのは全体から見ればごくわずか。……それでも助けられるのならば俺は手を伸ばす。ここに居る多くの仲間のように。
「ゆりかごには本局の艦隊が向かっているし、地上の戦闘機人やガジェット達も各部隊が協力して対応に当たる」
「だけど高レベルのAMF戦をできる魔導師は多くない。私達は3グループに分かれて各部署に協力することになる」
各グループの目的は聖王のゆりかごへの対応、地上の防衛、スカリエッティのアジトの制圧になるだろう。ここでの采配ミスはあとで致命的になりかねないわけだが、だからといって慎重に慎重を期すだけの時間もない。
故に編成は次のようになった。
聖王のゆりかごへの対応はなのはにヴィータ、はやてと空戦と殲滅力に長けた隊長陣、地上の防衛にはフォワード達に加えてシグナムが当たる。スカリエッティのアジトへはフェイトが向かうことになった。
戦力の均等さを考えるならば、俺はフェイト共にスカリエッティのアジトへ向かうべきなのだろう。だが聖王のゆりかごは超大型の質量破壊兵器。迅速に対応しなければならない。そのため俺も聖王のゆりかごへ
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