二十四話:デート?
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ちそうさま』
意地悪そうに笑いながら、味わうように唇を舐めるぐだ男。
その妙に色気のある姿に、彼女は顔を真っ赤にし、呼吸困難のようにパクパクと口を開く。
『……て、驚いた? テレビで見たことをやってみたんだけど』
「…ねっ。死ねッ! 地獄の業火に焼かれて死んでしまえ!!」
『ご、ごめんって! 痛っ!? ちょっ! いつもよりシャレにならない痛みが!!』
一瞬、ドギマギとしてしまった自分が許せず、加減なしで叩きまくるジャンヌ・オルタ。
ぐだ男の方も、いつものじゃれつきとは違う痛みに気づいて必死に謝る。
相手の心を傷つけてしまったのなら、誠心誠意、真心を込めて謝らなければならない。
『落ち着いて、ジャンヌ・オルタ』
「やめなさい…! 手を掴むんじゃないわよ! どうしようが私の勝手でしょ!!」
一先ず叩いてくる腕を掴み攻撃を止めさせる。
そして、相手の目をまっすぐに見つめて話しかける。
『そんなわけない。他の誰でもない俺が困る』
まだ、反抗しようとする彼女を優しく論す。
彼女が暴れれば、自分にダメージがいくので困るのは当然だろう。
『俺が悪かったよ、ごめん』
「フン……どうせ、あんたのことだから理由なんてわかってないんでしょ」
『う…っ。でも、本当に悪かったと思ってる。君の気持ちを考えてなかった。男として失格だ』
とりあえず、許可も取らずに女性の肌に触れたのが、ダメだったのだろうと考えて謝る。
「そんなこと言ったって、あんたはどうせ他の女にも同じようなことするんでしょ」
『ジャンヌ・オルタだけだよ。他にはしない』
理解していないので、どうせ同じことをするだろうと、ジャンヌ・オルタが皮肉気に告げる。
だが、ぐだ男はもうこんなことはしないから、心外だと言い返す。
「信用できないわよ……あんたのことなんか」
『信じてくれとは言わない。だから、これからの俺を見ていてほしい』
若干、天然タラシなところのある、ぐだ男に疑いの視線を向ける。
本人も少しだけ自覚があるのか、罰が悪そうな顔をするが、一応の返答をする。
「はぁ……仕方ないわね。今回だけよ」
『愛想をつかされないように頑張るよ』
「せいぜい頑張りなさい」
何とか許しを得て、ホッと胸を撫で下ろすぐだ男。
二人はそのまま、元の雰囲気に戻り立ち去っていく。
もし、この場にいた人物が二人だけであれば、このまま何事もなく終わっていたであろう。
しかし、この場にはジャンヌ・オルタを心配してついてきていた者がいた。
「あの子が心配で隠れて見ていましたが……ああいったやり取りは、世間一般では恋愛ですよね? あの子がやっていた『葉桜ロマンティック』というゲームにも似た
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