湯煙の町へ
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せ!!現れろ、シャンデラ!!」
出てきたのは、まるでシャンデリアに顔がついたようなポケモンで。他の地方のポケモンながらサファイアも知っている――ゴーストタイプのポケモンだった。
「シャンデラ!こいつの特徴は……」
「伝説のポケモンやメガシンカにも勝ると言われる圧倒的な火力……速さの次はこれか。なかなか厳しいね」
「御託はいい、シャドーボール!」
「守る!」
サマヨールに向かって飛んだ漆黒の弾丸――いや、大砲と呼ぶべき一撃は防御壁を削り、ついにはサマヨールを吹き飛ばした。闇のエネルギーこそ当たらなかったものの、『守る』を使ってなお防ぎきれない攻撃はルビーの記憶する限り初めてである。以前エメラルドが怒りに任せてメガシンカの波乗りを使ったのを防いだ時でさえしのいだというのに。
「次は防げそうもないね……サファイア君、妖しい風を頼むよ」
「わかっ……わかりました、フワライド!」
「ぷわわー!」
「サマヨール、朧重力!」
フワライドが不気味な黒い風を放ち、サマヨールがシャンデラのすぐそばに全てを吸い寄せる重力場を作る。するとどうなるか。答えは――
「全ての風が吸い寄せられ、そこに吹き荒れる嵐と化す!黒き旋風ブラック・サイクロン!!」
ルビーが自分ののようにオリジナルの技を唱えたのを見て、最初は驚くサファイア。だけど、それはとても嬉しいことだった。彼女が自分のやり方を認めてくれたような気がしたから。
ルビーとサファイアの生み出した黒い嵐はシャンデラを巻き込み、その体力を削っていく。このまま削り切れれば勝てる……そう思った時だった。
「狙いは悪くない。だが……」
そこから先の言葉は、小さくて聞き取れなかった。そしてジムリーダーは、反旗の一撃を放つ。
「オーバーヒート!」
言葉とともに放たれた炎は、業火や猛火という言葉では説明しきれない、全てを埋め尽くす爆発に近い何かだった。それは黒い嵐も、フワライドもサマヨールを飲み込み全てを焼き払う。サファイアとルビーが巻き込まれないのが不思議なほどの規模の一撃。炎が消えたときには……サマヨールとフワライドが壁際で、力なく項垂れていた。明らかに戦闘が続行できる状態ではない。
「っ……戻れ、フワライド」
「休んで、サマヨール」
二人がボールに戻す。ジムリーダーもまた、シャンデラをボールに戻していた。ダメージよりも、オーバーヒートのデメリットである火力の減少を回避するためだろう。
「……凄い火力でした。だけど勝負は……これからです!出でよ、全てを見通す慧眼、ヤミラミ!」
「いくよ、クチート」
「……まだやりとおすか。これ以上は
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