帰郷-リターンマイカントゥリー-part5/すれ違いの親子
[12/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
とがある公爵は部屋を後にしようとしたところで、カトレアが引き留めてきた。
「ルイズが、どうかしたんですか?」
ルイズのことを口にしてきたサイトに、突然公爵が彼に槍のような視線を向けてきた。
「平民…貴様、ルイズを気安く呼び捨てにしているが…どういうつもりだ」
「え、どうって…俺はルイズの使い魔ですけ、ど…」
いきなり睨み付けられ、猛烈な緊張を感じるサイト。
「なぜ気安く呼び捨てにしているのかと聞いているのよ。言っていることが理解できないのかしら?」
妹を無礼な口のきき方で呼ばれたエレオノールまでもサイトに対して鋭い視線を向ける。
すると、カトレアが二人に対して物悲しげに口を開いた。
「二人とも、やめてください。ルイズから聞いています。使い魔さんは、ルイズを守ってくれている大切な盾なのですよ」
「使い魔なのだから当然でしょう」
さも当然に言い放つエレオノールだが、そんな彼女を今度はムサシも非難した。
「エレオノールさん、その言い方はやめてあげてください。誰かを守るっていうことは、そんなに簡単なことじゃないんですよ。常に命がけなんです。サイト君は危険を承知でルイズちゃんを守ってくれている恩人でもあるんですから、もっと穏便に接してあげてください」
「…それもそうですね。それに、さっきのミス・カトレアが倒れた原因は、おそらくストレスが彼女の病気を刺激したことが原因です。理由が何であっても、あまり場の空気が悪くなることはおっしゃらない方がお互いのためでしょう」
「…そうね。ハルノとミスタ・フレデリックの言うとおりだわ。病状の娘の前で言うことではありません。エレオノール、旦那様。ルイズのことは別室で待ちましょう」
「…わかりました」「…ふん」
カリーヌはムサシやフレデリックの話に納得を示してエレオノールと公爵を諭し、渋々といった様子で二人が頷き、カリーヌと共に先に部屋を後にした。
「平賀君、大丈夫?」
「あ、ああ…大丈夫。慣れてるから」
二人の気迫にはハルナも睨みの対象じゃないのに圧されたのを感じていた。実際にそれを受けたサイトに大丈夫かと尋ね、サイトはなんともないと言った。
「使い魔君、二人に代わって謝るよ。申し訳なかったね」
フレデリックは、サイトの顔を見ると、エレオノールたちが高圧的な態度を示したことに、二人に代わって謝ってきた。
「あ、いえ…いいんです。でも、さっきの話だとルイズの奴、どうかしたんですか?それにあなたは…?」
「自己紹介していなかったね。私はフレデリック・ド・アルベルト。アルベルト男爵家の次男で、ルイズ様の婚約者としてここに来たものだ」
「こ、婚約者!!?」
サイトとハルナは、さらりと言ってきたフレデリックの話の内容に驚いた。特に、ルイズの前の婚約者のことを知るサイトは違う意味でも衝撃を受けていた
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ