原作開始
クラス代表決定戦
ISファイトォー……レディーゴー! new!
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。
しかし、恐怖よりも感動と敬意が大きかった。ここまで人は強くなれるのだと。代表候補生となろ天狗になっていた自分の鼻を見事に叩き折ってくれた。
「感謝いたしますわ」
「何が?」
「私の自信を砕いてくれたことです。……織斑さんは駕狩さんの弟子と言ってましたわよね?」
「一夏でいいよ、千冬姉も織斑で紛らわしいしな。そう、彼方は俺の師匠だよ」
「では一夏さんと。ということは、一夏さんより……」
「強い。俺なんかとは比べ物にならないくらいに。……というか、その気になれば生身でISを相手取れるんじゃないのか?」
ボソリと一夏が呟いた言葉に流石のセシリアも目を見開いた。
男性は軟弱な人ばかりではない。心の何処かで信じていたことは本当でした。一夏さんに支えてもらいながらピットに戻った時に、ふと父について思い出したことがありました。それは、心の中で男性を信じていた理由。
何歳ぐらいのことだったかは覚えていません。その日は何故か早くに目が覚めてしまって、どうしようかと思っていたら庭の方から父の声が聞こえてきたんです。それが気になってこっそり見に行って見ると、そこで父は道着を着ていて武道の稽古をしていました。
といっても、今だからこそそれが武道の稽古だと分かっているのですが。その時は何をやっているのかは分かりませんでした。ただ、汗を流しながら何かを一生懸命やっている父の姿を初めて目にした私にはその姿はとてもかっこよく映ったんです。
稽古が一段落ついたのか休憩する父に、母は優しく笑いながらタオルと飲み物を手渡しました。母が父に向けたその笑顔も今まで見たこともない物だったんです。物陰から覗いていた私に気づいた母は私を隣に呼び寄せて、また稽古を再開した父を一緒に眺めていました。
そうだ。私がずっと気になっていたこと『何故母はあんな父を選んだのか』それはとっくに知っていたんです。母が直接私に語ってくれたんです。それを私が忘れてしまっていただけ。
『セシリアは……なんで私があの人を選んだのかが不思議に思っているんでしょう?』
『確かにあの人は優柔不断で人の顔色を窺ってばかりの臆病な人だけど、それは私のことを思ってくれているから』
『彼は決して情けなくなんてない。でも、皆の前では彼をそう思っているように振る舞わなければいけない。でも本当はいつも彼に感謝してる』
『彼がいるから私はこうしていられる。彼が臆病でいてくれるから私は大胆でいられるの』
『彼は、私のことを一生守るって言ってくれたの。「僕は臆病で頼りないかもしれない。それでも君のことだけは一生守り続けてみせるから」って』
『私はね、それがすごく嬉しかった。オルコット家の私としてじゃなくて、『私
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