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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第6話:「修練(きょうしつ)」Aパート
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線機から岡野の声がして車内に響いた。
城ノ崎は、無線機と繋がっているマイクが付いたヘッドホンのようなものを頭につけ、
「はい、聞こえてます」
とマイクに向かってそう言った。
「よろしい。では、まずエンジンをかけるところから」
岡野は次の指示を出した。
「なぁ、士良。エンジンってどうかけるんだ?」
矢元は、天桐に聞いた。
「えーと、・・・わからん」
そう言うしかなく天桐は渋々答えた。
「適当にその辺押せばいいじゃね」
隣の加埜は適当に言った。すると、
「えーと、すいません」
早間は、天桐と矢元の間をすり抜け、矢元の後ろに寄った。
「まずは、イグニッションを入れるんです。目の前にスイッチがあるので」
と矢元の前にあるたくさんのスイッチの中の1つを指差した。
「これか」
矢元は、そう言いそのスイッチを押した。
ガァガァガガガ
と戦車のエンジンが動き出した。
そして、V号戦車が大きな機械音と共に振動しだし、後方からは黒い煙が吹き出した。
「よしでは、戦車を動かして貰います」
岡野はエンジンがかかったのを確認し、次の指示を伝えてきた。
「では、パンツァー・フォー!」
「パンツのあほ?」
岡野の言葉に加埜がそう反応した。
それに対して早間
「いえ、先輩パンツァー・フォーですよ。戦車前進のことです」
苦笑いしながら答えた。


天桐達がV号に搭乗してから5分が経過した。
広い練習場に、天桐達のV号戦車はやっとの思いで車庫から出ることが出来た。
「ふうー、難しいなこれ」
矢元は、そう言いながら操縦席のレバーやペダルをぎこちなく動かす。
「おい、竜二もっとスピードだせよ」
「わりーな。今ので、精一杯だよ」
加埜に急かされた矢元だが、
「最初だから仕方ないさ」
二人に天桐はそう言った。
「遅い!」
無線から岡野でない怒鳴り声が聞こえた。
(うわー、またか)
その声を聞いて、天桐はそう思った。
「アンタ達のせいで練習時間が減っちゃうじゃない。全く男ってこうもトロいのかしら」
ハルナから文句が聞こえてくる無線機のスイッチを切りたいがそうする訳にはいかず、そのまま聞くしかなかった。
「ハルちゃん。その辺で、彼らは始めてなんだから余りいじめちゃ駄目よ」
岡野が無線でハルナにそう伝えたお陰で
「・・・はい」
ハルナはそれからしばらく黙った。
「では、最初は移動の練習からさっき渡したマップにあるコース通り走ってみてまずはそこからよ」
と言い、天桐は最初に貰ったマップを見た。
「はい、これですね」
「車長は、そのマップを見ながら周囲を確認しながら操縦手に指示して、そのコースを走らせるの」
「わかりました」
そういい天桐はマップを見てハッチから顔を出し、そのまま矢元に指示をした。

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