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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第6話:「修練(きょうしつ)」Aパート
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日曜の朝9時頃
今日で23日となる5月は、これから6月に入ろうとしているせいか、
いつの間にか空気の湿度が高くなっていた。梅雨の時期に近づいているせいだろう。少し蒸し暑さも出てきて汗をかきやすくなった。
そんな季節替わりの中、
(あぁ、なんか気不味なこの状況。ハァー)
天桐はそう思いながら心の中で溜息をついた。
今、天桐は矢元、城ノ崎、加埜、早間の5人である場所にいた。
そこは、広い敷地と錆びついたトタンで出来たプレハブの車庫と2階建ての家が建っているだけの寂しい場所だった。その二件共は、凄く古い建物なのか強い風が吹くと多少揺れた。
その2階建ての建物1階にある一室。中は、昔馴染みの学校にあった木製と鉄製のパイプで出来た椅子と机がいくつも並んであり、正面の壁には黒板が付けられてある丸で教室のような部屋だ。
その部屋の中、黒板の前に天桐達5人は並んで立っていた。
5人の表情は、気不味そうだったり、爽やかだったり、微笑みだったり、偉そうだったり、緊張してたりなどと、それぞれ違った。
そんな5人の目の前を、一人の女性が通った。
早間の隣で立ち止まった女性は一回転し黒板の正面を見て、
「はーい、皆注目ね」
と元気な声で言った。
その女性は見た感じ20歳位の若さで天桐より若干背の低い人だった。
「今日からしばらくの間、うちで戦車道の勉強をすることなりました」
その人は、天桐達に手を指し示し
「男子諸君です」
と紹介をした。
天桐達5人を紹介した相手は目の前で腰を掛けている4人の女性だ。
その紹介を受けた4人は、
「え?なんで男が?」
「嘘、男子が戦車道?」
岡野(おかの)さん、これはどういうことでしょうか?」
「・・・」
と驚いた反応を示した。
その4人は、全員同じ学校の制服を着ていて、年齢は天桐達とそれほど差がないように見える。
彼女達の制服を見た天桐達は、それがどこの制服か一目分かった。
それは、天桐達と同じ県内であり、隣町にある岬野女子学園(みさきのじょしがくえん)の制服だからだ。
岬野女子学園は、名前通り女子校であり、生徒数が800人程の規模の学園である。更に、学園艦ではなく珍しく陸地にあるタイプの学校だ。
以前、天桐は岬野の話を聞いたことがあった。創立45年にもなる岬野は、十数年前までは学校は学園艦に存在していて、生徒数が3000人を超えていた。しかし、年々減る入学者による生徒不足と学園艦の老朽化が重なり15年程前に陸地へ移ったとか。それは天桐達の信道高校と同じような理由だ。
「岡野さん、説明して下さい。どうして男子が?」
と天桐達から見て、一番右側に座っている眼鏡をかけた女子が岡野に質問した。
「それは後で説明するからね。それよりも」
岡野は、顔の向きを彼女達から天桐達に変え、
「は
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