第69話 新撰組最強の男
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新撰組の中でもっと最強と呼ばれた男。それが沖田総司である。
局長の近藤も鬼と呼ばれ隊の規律を強め戦略に長けた土方でさえ、剣においての最強は沖田だと口をそろえた。
新撰組・真の鬼は沖田総司という男だと、牙突の斉藤一、槍の原田左之助もその他の隊士でさえそう思っていた。
何故なら、剣の訓練には自分自身にも相手にも厳しく妥協を許さなかったからだ
沖田は新撰組内だけではなく、世の剣豪と呼ばれる武士を倒し、真の最強を目指したがっていた。
時代の流れにもしがあったなら、剣一本でのし上がれる戦国時代やその後の荒れていた時代に沖田総司という男が、その時代にいたのなら、間違えなく宮本武蔵や柳生十兵衛等累々たる剣豪と呼ばれた強者達同様、その名を馳せていたに違いなかった。
今では剣の腕だけで、名を馳せることは叶わない。それでも、沖田総司という男は最強なのだ。
土方達は、庄内藩を後にすると新政府軍と一戦交わる事となった。が、土方の活躍は鬼神のごとく鬼気迫るものがあり、ばったばったと新政府軍の兵隊達をぶった斬っていった。
が、その時。
「土方さん」
土方を呼ぶ声がかすかに聞こえたような気がして、辺りを見回した。
「どうしたのですか?副長」
土方の様子を見て、隊員が話かけてきた。
「いや、なんでもない。気を抜くなよ」
土方は話しかけてきた隊員に叱咤した。
(空耳だったか)
土方はまた戦い始めたが再び、土方を呼ぶ声が聞こえてきた。
「おい、誰だ。姿を現さないか」
土方が叫ぶと、土方の目の前の空間が陽炎のように揺れたかと思うと、一人の男が目の前に現れた。
「お前は!!」
土方はその顔を知っていた。
「お久しぶりです、土方さん」
その男は屈託のない少年の笑顔で土方を見つめた。
「総司、、、、、」
土方は言葉を飲み込んだ。そう、その男は、沖田総司その人だったのだ。が、土方には合点がいかなかった。
何故なら、土方は会津に入り療養中に沖田が死亡したのを聞かされていたからだっだ。
「総司、お前も近藤さんと同じか?」
土方は沖田を鋭く睨んだ。
「え?近藤さんと同じ?どういうことですか、土方さん」
沖田はきょとんとした表情で土方を見つめた。
「近藤さんは、ここにいないのですか?」
沖田は残念そうにため息をついた。
「あぁ、近藤さんはここにいないよ、総司。近藤さんは死んだよ」
土方はそういうと唇をかみしめた。
「そうなんですか、残念です。戦ってみたかったなぁ。で、どう死んだのです?」
沖田はなんの感情もないように、まるで機械がしゃべっているようだった。
「俺が斬ったよ。近藤さんは化け物になっちまったからな。致し方ない」
土方は典太に手をかけた。
「ひゃはははははは。そうじですか?土
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