The first season 〜人と獣〜
第一章 【獣の勇者】
第七狩 《初出動》
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衛兵の列の先頭にいる部隊に問いかける。
「いつでもいけます!」
その返事に首肯し、号令をかける。
「全員!目を塞げ!特殊部隊、やれ!」
特殊部隊が各自コンガたちの群れへ何かを投げ込んだ。投げた何かはコンガたちの前ほどまで飛んだかと思ったら光を収縮し、次の瞬間辺りが白く染まった。
「閃光玉不発なし!成功です。」
特殊部隊と言う割には閃光玉を投げるだけだったがこれは大きい。なぜなら怒涛のバリスタの応酬でも止まることがなかったコンガたちの群れがようやく止まったのだ。しかも、彼らは混乱し、絶好の攻撃の機会を与えたのだから。
騎士長が大きく息を吸い込みより一層大きい声で叫ぶ。
「バリスタ部隊打ちかた辞めぃ!総員突撃ぃ!!」
雄叫びを再度上げ、衛兵たちがランスを突き出し突進していく。そして混乱しているコンガたちを攻撃していく。
さすが元玄人ハンターだけあり個々が着実に撃破していく。
手順がよく組まれた作戦の甲斐もあり、ここまでは順調である。
しかし、騎士長。このままうまくいくわけがないと分かっている。
実際今まで楽に倒せていた衛兵たちだがコンガたちの混乱が次第に解けてゆき、倒すのに時間がかかるようになってきた。時間がたつと当然衛兵たちの体力は消耗し数に対して対抗するのが厳しくなる。
衛兵たちが次第に押され始める。
その中でも騎士長の視界の中ほどで戦っている衛兵。かなり消耗しているようだ。
そう苦い顔で見ていた騎士長だったが、その衛兵に向かって一際大きい個体が向かっていた。
「マズイ、ババコンガか!」
コンガと相対していた彼はババコンガの接近に気付いていないようだ。コンガを倒すと膝をついてしまった。
ババコンガが彼に向かい体当たりをする。彼は直撃の直前にババコンガの接近に気づき咄嗟に盾を構えたが弾き飛ばされてしまう。地面に仰向けに投げ出された彼にババコンガが追い打ちをかけるために走りよっていく。
仲間の衛兵に手が空いているものはいない。
この作戦初の犠牲者か。そう思ったとき。
ドン!!
と、ボウガンにしては軽く、しかし弓の射出音に比べると低く重い音が辺りに響いた。その音が耳の中で残響し始めたそのとき、ババコンガ悲鳴に近い鳴き声をあげ頭を抑えながらその場に倒れ込んだ。よくよく見てみるとがババコンガの片目が破裂し血を吐き出させていた。
「なん...だと?」
騎士長が驚愕に眼を剥いていると、
「ゴメンね〜。少し遅れたね。」
子どものように軽い声が聞こえる。その声がした騎士長の真横へ視線を向ける。
そこにはこの街のギルドマスター、瑞花が見たこともない、異様とでもいえる格好で立っていた。
左目には黒い眼帯のようなものをつけ
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