The first season 〜人と獣〜
第一章 【獣の勇者】
第七狩 《初出動》
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いつもであればハンターや商人など人種を問わず多くの交通がある幅15メートル高さ10メートルのハイダンの大門。しかし今は閉ざされている。その閉ざされた大門の上、衛兵の見張り台でハイダンの守衛騎士を束ねる騎士長は冷静さを保ちながらも内心に焦りを生じさせていた。
その視線の先に大量の鈍い桃色の集団がもう映っていたからだ。
コンガの群れ、普段ならばそこまでの脅威とはなりえない。実際これまでも何度か撃退している。
しかし今回は少し話が違う。複数の群れが同時にやってくるという例は騎士長がハンターをしていた時期から今までで初の事だ。
やはり彼らもこれまでの負の連鎖を経験とし学習したということか。
これだからモンスターというのは侮れない。
しかし、どうするべきか。あの数に対抗するにはここの衛兵の数ではかなり厳しい所がある。さっきギルドマスターには遠話石で状況報告はしたが何やら誰かに「一狩り行こうぜ!」なんてこと言っていたが.....
「.....あまり期待できないかもしれない」
騎士長は誰にいうつもりもないが呟く。
最近赴任したばかりの若いギルドマスター、しっかりと仕事はこなしているがやはり経験が浅い。この事態に対応する策を短時間で捻り出すのは少々難しいだろう。
「やはり、現在の兵力でやるしかあるまい」
覚悟を決め一度瞼を閉じる。そして呼吸を整えた彼は次の瞬間に目を見開き大門の前に整列している衛兵、30名へ向けて檄を飛ばす。
「諸君!今回の一件、はっきり言って厳しい戦いとなるだろう!しかし!君たちであればこの難を必ず打ち破ってくれると信じている!我らがこの街を守るのだ!」
言い切った騎士長はランスを高く天に突き上げる。それに伴い衛兵全員が雄叫びとともに同じくランスを天に掲げる。
コンガたちの群れはかなり近くまで迫ってきていた。それを見ると通常のコンガがおよそ60頭、一つの群れが平均10頭のコンガを伴うとされているためババコンガが少なくとも6頭いるはずだ。
しかしその中にはちらほら緑色も見える。通常よりも戦闘力が高い亜種個体だろう。
しかしやるしかない。騎士長は号令をかけた。
「バリスタ部隊!発射用意!」
騎士長の号令に大門のサイドに設置されている計4台のバリスタに弾が装填される。
「打てぃ!」
ビシュン!と音を立てたバリスタは群れの先頭を先走っていた何頭かに見事命中した。
「次弾から各自装填後号令なしに自らのタイミングで打ってよし!頼んだぞ!」
自分が号令をする時間がもったいない。騎士長はそういう考えをもつ人間だ。なので最初のタイミングだけを指示し、後は彼らの判断に任せる。騎士長が彼らを以下に信用しているかとてもわかる。
「特殊部隊!用意はいいか!」
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