二十三話:プールサイド
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、では」
反論も反抗も許さぬように、素早く二人を排除する子ギル。
公共の福祉に反する人間には、罰が与えられるものだ。
『悪は去った』
「はい。これで穏やかな休日が戻ってきますね。それでは僕はここで」
『じゃあね』
「ええ、お兄さんはしっかりとお姉さん方を褒めてあげてくださいね」
子ギルの言葉に、首を傾げるぐだ男だったが、すぐに理由は判明する。
「旦那様、お待たせしました」
振り向くと、そこには恥じらい気味に立つ清姫がいた。
身に纏うのは、少し表面積が少なく感じる水色のビキニ。
着やせするタイプなのか、予想よりも大きなバストが強調され、色気を放つ。
『可愛いね、清姫にぴったりだ』
「まあ、ありがとうございます。この日のために何か月も前から準備してきたかいがありました」
にこやかな会話であるために、ぐだ男は気づかない。
彼自身は清姫と会ってからまだ、一か月程度しか経っていないという事実に。
『あれ、後の二人は? まだ着替えているの?』
「いえ、一緒に更衣室から出てきたはずなのですが―――」
「あー! ちょっと匿いなさい、ぐだ男!!」
ジャンヌ・オルタの声に視線を向けるが、あっという間に、背後に回られ盾にされる。
何事かと戸惑うぐだ男だったが、原因はすぐに判明する。
「お姉様、日焼け止めクリームを塗らないとダメですよ。だから、今すぐに私がお姉様の肌にしっとり、ねっとりと」
息を荒げ、頬を紅潮させたブリュンヒルデが現れる。
彼女の水着は大胆な白のモノキニ。前からはワンピースに見え、後ろからはビキニに見えるものだ。
彼女の完成された肉体と合わさり、まさに戦乙女といった、神秘的な美しさを醸し出す。
もっともセリフで台無しであるのだが。
「表現が嫌らしいのよ! 大体、室内プールなんだからそんなに焼けないわよ!」
「……最近は紫外線の浴びすぎで、皮膚がんになることもあるんですよ?」
「そ、そんなの、偶にでしょ?」
ブリュンヒルデの言葉に不安になり、尻すぼみになるジャンヌ・オルタ。
実際問題、白すぎるといっても過言でない彼女の肌は、日差しに弱い。
そうした事情があるので、彼女はブリュンヒルデの申し出を突っぱねきることができないのだ。
『別に、ブリュンヒルデ以外に、塗ってもらうんならいいんじゃない?』
「それよ! それ! 別にあんたじゃないとダメなんて理由はないんだから」
ぐだ男の提案により、パッと顔を明るくするジャンヌ・オルタ。
ブリュンヒルデの方は悔しそうな顔をするが、事実のため何も言い返せない。
「じゃあ、ぐだ男。あんたが塗りなさい」
『え! 俺でいいの!?』
「…あッ! 違う、違
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